「天然日和」 石田ゆり子著 もう、何年前だろうからか、書棚の一番手前においてある本。 私の、バイブル的な本といったら、言い過ぎかもしれないが・・・そういう存在の1冊なのです。
私が普段想っていることを、そのまま言葉にしてくれている。 私が忘れかけていることを、再度気づかせてくれる。 ぴったりはまる。気持ちいいくらいに。 そんな、大切な一冊。
1年近くの日記エッセイ集ではあるが、あらゆる物事の感じ方、考え方に共感できるのです。もちろん、深夜にJAFを呼んだときの出来事、フリーマーケットでのことなんかの日記は、ゆり子さんらしいのほほんとした雰囲気ですが
ゆり子さんは、とてもすてきな日本語で、お話したりかかれたりされている。大変な読書家だけあって、思慮深さや、本来の日本語をたくさん、こころのなかの引き出しにしまっている感じが、この本を読んでいて、とてもここちよく、凛とした感覚になる源となっているんでしょうね。
「安穏」「洗練」「反芻」「慈愛」・・・そんな言葉が、ごく自然に出る。しなやかな言葉たち。
「慈愛」という言葉、私にとっても、もっとも好きな言葉なのです。この本に出会う前から、いくつかの本で出てきた言葉であるが、不思議と、「慈愛」という言葉が書かれた本の作者の作品は、その後もずっと読んでいるような気がします
この本を読むたび、もっと「言葉」を大切にしよう。「想像力」を持って、人と接していこう、そして、なによりひとりで生きること、まずは自分から・・・ということを、再認識させられるのです。あと、「モノを捨てよう、そぎ落としてそぎ落として・・・」って想わされる。
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私は、この日記と並行して、「メトロポリタンカメラ」というブログを書き続けている。もう4年目。ほぼ毎日、私の感性趣くまま、カメラにおさめた瞬間を、一つの作品としてUPして、感じるままの言葉をささやかながら添えている。この写真とささやかな言葉・・・そのときそのときの、私をもっとも伝えているような気がして。
写真の傾向も、時とともに変化している。最初の頃は、街で見つけた、発想を転換する、感性豊かな瞬間を意識していた。いつも、おもしろいもの、違った角度のもの・・・という狙いを持って、撮影していった。
いまは、私の暮らしそのもの、日々の出来事の1シーン、感動したり、感じ取った1秒1秒の瞬間。そんな写真。つまり、感じたままを意識している。添えられる言葉も、その瞬間湧き上がるものを書いている。ごく自然なのです。だから、自分の精神状態がそのまま反映される。
そのときの自分の状態で、 いかに、見るものすべて、目の前の世界すべてが、違って見えているのか・・・顕著に写真として現れるのです。
メトロポリタンカメラ これは、私の「静」な部分。 だれも知らない、私の中の私。
きょうも、そういう私の1枚が、重ねられていく。 いつか、写真集にしてまとめたい
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