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 2023年04月12日(水)   分陀利華(その1) 

正月に満99歳の誕生日を迎えた祖母。ほぼ寝たきりで両親による老々介護が続いてましたが、
排泄の面倒が限界になってきたのもあり、父を説得して老人ホームに入居させました。
これが3月後半。家でも食事の大半を残していましたが、今月に入ってからは
ほぼ何も食べなくなり、点滴でかろうじて生き永らえている状態でした。

長男である父は毎日ホームに通っていましたが、入居の判断が間違っていたのでは…と自責。
私は子供の頃、夕食で祖母が繰り広げる悪口大会に堪えかねて、昼休みが終わりかけても
給食が食べきれないタイプだったのに、早食いに変貌したのを筆頭に、
大学卒業後、実家に戻っていたころは余計な心配ばかりされていたりと
母ともども嫌な思い出しかなく…正直に白状すると世界で一番嫌いな人でした。
(ちなみに2番目がテニミュの想い出を無に帰した某俳優)
年末年始は母に介護の苦労や愚痴をたくさん聞かされ、私も父を説得する側に回ったのです。

時間の問題で、GWに予定していた帰省には間に合わない可能性が高いと
言われていたのですが、実際に訃報を受け取るとそれでも虚しさを感じました。
老人ホームのスタッフが朝6時に様子を見に行ったら息絶えていたというのです。
実際は夜中のうちに亡くなったのでは、とも想定されています。
前日も父は祖母にあって普通に話し、手も握ったのですが。

生きている間にスタッフが最後に聞いた声は、嫁である母を呼ぶ声でした。
母はあんなに祖母を嫌っていたのに。血のつながった子供ではなく嫁を呼ぶ。
それだけ面倒を見させるのが当たり前だと無意識に刷り込まれていたんでしょうが、
葬儀後に泣きながら語る父の話を聞きつつ、私は皮肉なものだと思ってました。

喪主が慌ただしいのは、哀しみから遠ざけるための古来からの知恵だと言われています。
通夜と告別式のスケジュールの連絡があったのは、夕方でした。

もともと週末は仙台でラインメールを見るために遠征予定で、金曜は休みを取ってました。
その直前に黎明コラボカフェ、MX4Dの鑑賞など詰め込んでいて、忙しい予定でした。
昨日の夜、仙台の謎解きイベント4000円とソニー仙台の前売り券800円買ったばかりなのに。
最後の最後まで足を引っ張る人だ…と恨みを募らせながら仙台行きをキャンセルし、
発券したチケットをごみ箱に捨てました。そして黎明カフェも断念せざるを得ません。
衣装展示も、コラボメニューも、もう二度と巡り合えないでしょう。
(グッズだけはシブツタ2.5Dで買えますが、行けなかったのを思い出すトリガーにしかならず)

いろいろ考えた末、MX4Dの黎明だけは見ることにしました。
これも今週で打ち切りなので、逃したら再びのチャンスはありません。
スカイツリーで山姥切国広は言います。何があっても生きていくのが人間だと。
彼が人間ではなく、それでいて人間にずっと寄り添ってきた存在だと実感しました。
4DXよりMX4Dは全体的におとなしめなので、花の香り以外は特筆事項はありません。
でもやはり…さすがに、これまでのように見ればテンション上がる、とはいきませんでした。

父方の親戚は私と弟以外ほぼ岐阜県と愛知県に住んでいます。
口では私と弟には無理して来なくていいと言いながら、来ないと兄弟(私の叔父・叔母)に
示しがつかないとぼやくので、帰る以外の選択肢はありませんでした。

チケットたくさん捨てる羽目になりましたし、ダイナミックパッケージも
キャンセル料かなりかかりましたが、それでも迷いはありませんでした。
1週間前だったら、舞台ダブルの2列目を捨てていたわけで、それだけでも
見させてくれたのは祖母のせめてもの恩情だと友人に言われ、少し思い直しました。

全ては巡り合わせ、縁なのです。
(ラインメールはソニ仙相手にアディショナルタイムぎりぎり追いつく試合をしました)

2023.4.22 wrote


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