Land of Riches


IndexBeforeAfter

 2003年11月09日(日)   青の精 

水色プリンセス 願いは一つ 心が通うなら すべてを賭ける

11月は「Jユースカップのパンフレット早くゲットするぞ月間」となったため(嘘)
毎週違う会場へ足を運ぶのですが、本日はサテの入場料が日本一高いとおぼしき磐田。
さすがにJユースでは無料なのですが、だとすると、サテで1000円取られる(ただし
ファンクラブの会員証を見せると無料。入場者の大半はこれに該当していると推定)のは
会場代―そもそもヤマスタは自前のスタジアムですが―ではなく、プロのプレーを
見るための対価なのでしょうか? 確かそれに及ばないからサテは基本的に無料のはず…。
サテでもメンバー表をゲットできなかった苦い思い出のある場所ですけど、今日は
試合前のアナウンスのみ。ぎりぎりに到着した私は全くメンバーを把握できませんでした。

今、ジュビロの公式サイトと前回の同カード@高槻でもらったメンバー表を見比べてます。
磐田は前回、U-18に参加していた松井&藤井がもちろん登場。とはいえ、他は
それほど変化してないにもかかわらず、開始から見違えるような出足でガンバを圧倒。

ガンバは先週の夢の島(FC東京戦)で今季最悪レベルの試合をやったそうですが、
それにしても…例によって全く改善される気配のないガンバの弱点=サイドを
えぐられまくり、そのフォローにCBが釣り出され、中央が空いてピンチ量産という
もはやお約束に認定したいような有り様。それでも先制はガンバで、それも出口くんが
DFのみならず、私が年代最高認定(を勝手に)してるGK松井くんまでもをかわして
さらっと流し込むというものでした。ジュビロの前線3人(トップ下の船谷くんと
岡本・藤井のツートップ)はさすがにうまいとは思ったのですが、ガンバの場合、
ボールを扱う技術は全員高いのですよ。つまり、うまくても浮き出ないから、
さして印象としては刻まれないという。そういう意味では、ガンバの選手は他に
何か認識できるものがないと個を把握できないと言うか。丹羽くんのコーチングとか。

今日の丹羽くんの相棒は、私が全クラでいたく気に入った、華奢な野村くんでした。
上背はないのにヘッドもそこそこ競れるし、何よりカバーリングの動作がとても綺麗。
プレス時の直接的な強さは欠いてますけど、それを埋めて余りある優美な動きに、
私はこういう守り方をするCBが好みなんだ、と改めて思いました。羽田さんも永田さんも。

家長くんのクロスを三木くんが滑り込んで押し込むゴールでガンバが勝ち越せば、
岡本くんがDFを上回る刹那の動作ですばっと蹴り込むなど、シーソーゲームの様相を
呈してきた試合は、ついに35分、ジュビロが勝ち越し。クロスを上げさせても
中ではじけば問題ないと言えばそうなのですが、簡単にゴール横まで進出されては
防がなければならないチャンスが増えるのみ、ピンチの回数が増えれば、確率的に
失点する可能性は上がります。ジュビロが何をしたかった分からなかった前回と異なり
しっかりと複数人でのプレスが機能(なぜかガンバでは囲まれた場合、自力で
突破するという選択をする選手が圧倒的で、2人はおろか3対1もざら、家長くんや
寺田くんにいたっては4人のマーカーと相対するシーンもありました。それでも彼らは
マーカーを引きずって、あるいはかわして抜けていこうとするのです。周りも
フォローには行かないし。私、4対1を華麗に抜く選手なんて、アトランタ一次予選の
前園さん@タイ戦ぐらいしか連想できません)して、シュートチャンス自体を
あまり与えなかったのとは対照的でした。もっとも、その機会とて三木くんが(以下自主規制)

後半、さすがにガンバもサイド突破に対して2人がついて止めにいくよう修正し、
ジュビロのチャンスはぐっと減りました。最初からそうしていれば良かったのに…。
また、船谷くんがリスタートが早すぎると主審に注意された直後、同じことを
繰り返してしまい、2枚目を頂戴して退場(リスタートは1秒でも早く、というのが
近頃の、特に若年層での流行なのでしょうか?)したために、ジュビロは退いて
守らなければならない状態となり、この後、ジュビロの3バック+両WB(+ボランチ1枚の
オプション付き)がゴール前へ並び、その両端にガンバの家長・安田の両サイド、
守備陣の間に三木・出口のツートップが入り、青と白の長いラインができる形が
デフォルトになりました。なぜかガンバの4人はそこでボールが来るのを待っていて、
後方の選手はそこへどう供給するかが問われることとなったのです。
(そして、大半のチョイスはサイドへ展開し、両サイドから中へ入れるものとなります)

ここで素晴らしい攻撃を披露したのが家長くん。いつもは消えている時間が圧倒的に
長い彼らしくもなく、後半ロスタイムに至るまで、自分の前にあるスペースへ出た
ボールを、ほとんど全て、DF陣を翻弄してPA内まで持ち込んでました。それは相手を
直接抜き去るフェイントだったり、または相手の頭上を簡単に越えていく質の高い
クロスだったり。キック精度の高さは家長くんの長所ですが、ほぼミスキックはなく、
なんでそれを決められないんだとFWを責めずにいられない超絶ぶり(いかに普段、
サイドから入ってくるボール自体に萎えているかが分かりますね、我ながら)

今日は寺田くんが逆に絶不調(いつもの彼なら簡単にかわしていくだろう程度の
プレスにもてこずり、攻守ともに動きが一つずつずれているような印象。更には
視野が狭くて、フリーの味方をものともせず、4人のマーカーに挑んで屈したり)で、
右CKでは家長くんがボールを求める声(むしろ動作?)に屈してボールを譲り、
ショートコーナーにしてしまった場面もありました。この時、家長くんが左足で
ファーサイドに入れたボールもまた素晴らしく、丹羽くんの頭にぴたり(でも、
その浮き球を出口くんが頭で合わすもバーの上)と合ってました。

寺田くんと家長くんと言えば、一番左にいる家長くんは、ラインを背にゲームを
最も良く俯瞰できる位置にいるのですが、4人のマーカーに寺田くんが挑んで
玉砕した時、家長くんは両腕を大きく上げてボールを要求していました。
同じ動作は何度か見られ(状況は大体同じ―サイドへ開いた方が良いと判断される時。
ちなみに一番後ろにいる丹羽くんも、ちゃんと状況を良く見ていて、サイドを使えだの
スルーパス狙い過ぎるななどと実に的確な―彼のコーチングを聞くと試合のツボが
把握できて楽しいし助かる―声をかけていたのですが、これもなぜだか、声とは
相反するチョイスが行われる場面多数)あまり彼はこういうこと…自ら進んで
試合という大きな流れへ飛び込もうとしないイメージがあるだけに、新鮮でした。

寺田くんが左サイドというポジションチェンジも頻繁にあり、代わっての中央はおろか、
逆サイドでの突破も何度か見られた家長くん。試合に絡もうとすれば絡める、
やればできる―彼の異変に気づいたのは、前半、サイドを突破してきた相手へ
(流れてきた船谷くんだと思いますが自信なし)猛烈なチェックをかけていた時でした。
遠路はるばる遠征してきたTさんと、彼がどんなボールを蹴る時よりも唸ってました。

彼は守備が苦手なわけじゃない…多分嫌いではあるんだろうけど…本当に苦手なら
体をうまく入れてボールを奪ったりはできない、なら、いつもの彼は一体何?

左から何度も何度も絶好のクロスが入っても、ガンバのアンテナFW(最後には
3本立ててみたわけですが)は決められませんでした。バーのわずかに上など、
惜しい機会も何度もありましたが、それ以上に、もっと動いてボールのもらい方を
工夫したら楽にシュートが打てる状況を作れるのに、と強く思いました。ねえミキティ。
DFラインの間に突っ立たれていても、パッサー側はどうしていいのか分かりません。
選択肢あるいは可能性が減ると言うか。家長くんはかなりもらうために動いてましたよ。

そんなわけで、後半はスコア動かずタイムアップ。どんな試合でも審判や相手との
握手を忘れず、相手ベンチへも他の選手をきちっと連れていく丹羽くんは、相変わらず
頼もしいキャプテンだと思いました。後は彼のコーチングをみんなが聞いてくれれば…。
丹羽くんの声はボリュームではなく、頻度でもなく、やはり内容に価値があるのだと
再確認しました。トップでもその声を響かせて欲しいです。その前にこの大会か!


やぶ |MailWeblog