Land of Riches


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 2002年08月09日(金)   山本拓弥ウォッチングレポート(その1) 

第3回豊田国際ユース(U-17)が開幕しました!
…とはいえ、U-16日本代表が出場するのに配慮したのか、招待チーム含め
全選手が1986年以降生まれで、実質U-16の大会。協会のもくろみはハズレ?!

◇第1試合 (名古屋ユース中心の)選抜チーム vs グアラニ
前半の途中、20分ぐらいからかな、それからしか見てないんですけど、
体格差と選抜チームのコンビネーション度(ユニフォームはグランの赤)により
どうしてもグアラニ寄りの展開に。本当に知っている選手ゼロで、流して
見てしまって(他にも理由もあるのですが、後述)すみません―なのですが、
目についた選手を紹介するというお約束をしましたので、今回は3名紹介。

・森真也くん(GK・背番号1・名古屋ユース)
ファインセーブ連発で試合をO-2と“まともなスコア”で済ませた殊勲者(拍手)。
今朝の地元紙の記事によると、選抜チームは23本のシュートを浴びたそうです…。

・小寺勝也くん(DF・背番号14・名古屋ユース)
選抜チームの主将。DFを仕切ってましたが元はFWだそうです(伝聞)。
でも選抜チームの守備は非常に危うく、それが森くんの活躍を生んでました(汗)。

・遠藤幸雄くん(MF・背番号8・名古屋ユース)
何度かゴール前でのチャンスでシュートを打てず、「打て!」と叫ばせてくれました。

◇第2試合 バルサ vs U-16JAPAN
豊田市運動公園球技場って、選手がスタンドを通って入っていくんですね…。
まずは出場選手と*90分見ただけでできた*その選手の「像」を背番号順に紹介。
(基本的に予備知識なしなので、一見の印象だけです(しつこく強調))
あ、代表が着用していたユニは上が白、下が青。背番号はJFAのHPを参照して下さい。

GK:八田直樹くん(磐田ユース)
予備知識を頂戴したためかもしれませんけど、単純なキャッチング一つ取っても
なぜか非常に危なっかしかったです。普段どういう指導を受けているんだろう…と
さえ思ってしまう取り方をします。もう少しセーフティに取れないものでしょうか。

左SB:麻生晃平くん(大分高)
彼のオーバーラップがU-16最大の攻め手でした。その道を開けるために
二列目左の上田くんが中に絞り気味だったくらい。左SBのスペシャリストらしく、
右の天野くんより守備力は高く見えました。後は上がった後のボール扱い?
最終盤、ゴールの真横から打ったシュートがポストに当たったのはビックリでしたが。

左CB:丹羽大輝くん(G大阪ユース)
キャプテン。声出し、1対1で負けない強さ、的確な位置取りもさることながら、
終盤には味方へ身振り付き指導、試合後には相手ベンチへイレブンを連れて行く、と
素晴らしい統率力を発揮しており、私とSさんはぞっこん。本日のMIPを贈呈します。
やはりこういうCB必要ですよね!―と声を大にして主張したいところ。

右SB:天野貴史くん(横浜FMユース)
山本くんと共に赤ラインのスパイクを着用。162cm/55kgと見るからに小柄。
本職はボランチだそうで(確かに視野は広い)前の山本くんがガンガン×11に
上がっていくため、前方に埋めるべき広大なスペースができてしまい、
自然と彼も位置取りが高くなってしまいました。ご苦労様でした(苦笑)
失点は彼が相手にぶち抜かれてのもの。つい「頑張れ」と声をかけたくなるタイプ。 
ゲーム後に少女から「4番顔は良かったのに」という大暴言をくらってました。

右CB:青山直晃くん(前橋育英)
アヒル声。岐阜VAMOSの出身で、高校サッカーを自ら志し前育へ行ったとか。
横断幕が出た唯一の選手。典型的なストッパーという感じでしたが、丹羽くんと
比べるとまだまだ精進の余地がありそう。大型なだけに期待したいのですが。
(丹羽くん170cm/70kg、青山くん178cm/74kg―丹羽くん間違いでは…? 存在感?)

二列目左:上田康太くん(磐田ユース) 
この日のシステムは二列目がかなり開いた4-4-2。グランパス風味? その上、
DFライン以外は超流動的な上にSBも積極的に攻撃参加…体力持つのかな。
上田くんは右CKも担当してました。後半、ゴール左を突破してPKをゲットしました。
ちなみにクールダウンで、山本くんが仲良さげに喋っていた相手は上田くんでした。

右FW:前田俊介くん(広島ユース)
負傷の藤井くんに代わり後半終盤に登場。「動け!」と出てくるなり複数の
選手に言われ、彼もまた誰よりも前へつっこみまくってました。やはりこれが
チームのコンセプトなのでしょうか。惜しいシュートが2本ほどありました。

左ボランチ:細貝萌くん(前橋育英)
173cm/55kgのひょろ長。彼を含め、上田くんや山本くんも発想は悪くない、
面白いパスを何度か出していたのですが、いかんせん通らず、この期におよんで
この連携度か、と心配になりました。ずっと固定してやってきたらしいのに。
前半序盤に、1回だけ流れるように中盤でスピーディに回った時は惚れ惚れしたんですが。

二列目右:山本拓弥くん(鹿島ユース)
今大会の密着対象。1年前のメニコンでの初見の外見印象「小生意気なあどけなさ」を
短髪で完全払拭して、男っぽくなってました。同一人物とは思えぬ程(!)で驚き。
170cm/65kg(Sさん、私、勘違いしてました(汗))。それほどでもないはずなのに
小さく見えたのは後ろが天野くんだったからかな? 「ヤマ」と呼ばれてました。
いきなりのシュート風クロスから、とにかく前へ前へという意欲は大爆発。
ひたすらボールを追いかけていたようにすら見えました。最後尾にもいたし…。
(というかFWが三列目にいたり、とにかくこのチーム全体的に動きまくり)
あまりに彼の位置が高いので、3トップ(1トップ2シャドー?!)に見える時間も。
一番聞きたいのは、上田くんがゲットしたPKをなぜものすごく自然に彼が
蹴っていたのかという点(笑)。地元紙にもゴールシーンの写真載ってましたよ。
PKを一度左ポストに当てて、その跳ね返りを押し込んだんですけどね。
そこで山本コールされてました。個人コールされたのは彼だけ。
左CKも担当してました。声は客席から遠いサイドにいても聞こえる、吠えるような声。
「たっくん」的には、パスが通らなかった後にリアクションが欲しいところ(爆笑)
どちらかというと、パスを味方に合わせるのでなく、合わせさせようとするタイプかな。

右ボランチ:高橋良太くん(名古屋ユース)
「高橋」と呼ばれていたり「良太」と呼ばれていたり、どうもこの代表、
一番大声の八田くんの呼び方から判別する限り、略さずフルで呼ぶ傾向があるらしく、
2文字制限(笑)の西村JAPANを見ていた人間からすると、長いのではと余計な心配。
ボランチとしては比較的球を動かす萌くんとは反対に、自分が動くタイプらしく、
上がりすぎとベンチに怒られてました。確かに空回り気味でした。
須藤さんにも一番怒られてましたね。地元紙にもそう書かれてましたし。

右FW:藤井貴くん(磐田ユース)
ツートップは共に下がって受ける場面が多く、さばいたボールをいかにして
飛び出していったMF陣(二列目・三列目問わず)のフィニッシュまで持っていくかが
このチームの攻撃での課題かと。足を痛めて交代。自分で歩いてましたので、
たいしたことはないと思いますが、本番も近いので気を付けて>メンバーALL

左FW:岡本達也くん(磐田ユース)
今回のメンバーでは磐田ユースが5人と最大勢力なんですが、あのチームも
いい加減、自前で育成する気になったのでしょうか、それとも…?
ツートップのプレーに甲乙付けるのは難しいんですけど、強いて言えば
岡本くんの方が三列目にまで下がってボールを受けていました。下がりたがり?

もちろん全選手の背番号と名前を一致させられたわけではないことは白状しておきます(苦笑)
こうやって書いてみて、全員それなりの印象を持てたあたり、私も頑張ったと
自分では思うんですけど、U-16を見ていらっしゃる方には笑いモノでしょう、きっと。
あ、週末はアンダーエイジのサッカーをよく見ていらっしゃるマニアな方々と
一緒に見る予定なので、ちゃんとした知識を得ながら観戦できると思います。
この第一印象がどう変化していくのか、自分でも楽しみです。

ちなみに、フェイエの選手がなぜか座らずにスタンド後方の壁にもたれて
見てたんですけど、観客の少年とボール回しして遊んだりしてかわいかったです。
フェイエってアットホームなクラブなんですかね、伸二さん。

さて、当然U-16を見に行ったんですけど、まさか、なのに道中での話題の大半が
U-19になるとは思いもしませんでした、本当に。原因は私が第1試合の後半に、
すぐ後ろのテントで発見してしまった技術委員・田嶋さんの姿にありました。
私は試合そっちのけでチラチラ振り返り、念を(とりあえず角田・松本・山口慶…)
送ってましたけど、心底から「Road to UAE 角田誠」の横断幕が欲しいと思いました。
(横断幕=サンガ戦で見られるらしいという評判の物。私は実物を知りません)
第1試合と第2試合の間にできた30分以上のインターバル、私たちはモーションを
かけたいのを必死に我慢してました。少なくとも私はそうでした…(微苦笑)

LRでも既に書いてきた通り、私の中では「U-19」も「角田誠」も「菊地直哉」も
「永田充」も虚像でしかありません(松本さんと山口慶さんは違いますが)。
すなわち、他人の話を聞いて、それだけで「像」を構成しています。
サッカーサイトの運営者として“この目で見たものだけを信じ書く”というポリシーに
私のU-19語りは全く反しているわけで、それを痛感させられるからこそ、
SBSカップへ足を運ぼうと思い、また、土俵が違うゆえに単純には比較できないとはいえ
西京極へ行きサンガを見て、その上で先程挙げた「像」たちを語りたいのです。
でも、今はできません。ただ、陰持たぬ虚像しか持たぬ者なりの意見を
U-19に興味がある人(U-19を見ているか見ていないかは問わず)へ発信しています。

はっきり言わせてもらうと、私にはU-19の選考基準がよく分かりません。
それは西村JAPANと違って、1983〜1984年生まれの選手全体に対する知識に乏しく、
また田嶋JAPAN(あえてこの書き方)の歴史を見てきていないからでもあるでしょう。
個人的には3バックに興味があり、現在ポジションを持っていると見なされている選手、
そしてそこにふさわしいと言われている選手に関する話を積極的に収集しています。

チームを作るには過程が必要です。そして、そこで貫かれる哲学がなければ
選手たちは首脳陣に従わないでしょう。私たちですら納得できないなんて問題外です。
私は現在の選考基準について語る以前に、“それ”があるのか知りたいのです。
素人として。「ど」がつく程の素人として。たとえば“柱”となる選手を
決めるか決めないかは指揮官によって当然違いますし、私個人としては
“柱”を据えることは良いと考えています。ただ、イコール“指定席”で
あるのは良くないと感じます。それはチーム内の摩擦になりかねないからです。

代表は選抜されたもので構成された、一つの目的のために戦う集団です。
必然的に共同生活も長くなりますから、サッカーの技術や身体能力だけでなく
メンタリティも“選ばれし者”にふさわしいだけのものが必要だと考えます。
スピードが先天的能力といわれるように、集団において“前で引っ張る”
“後ろで支える”“付いていく”など、どの“ポジション”に適性があるかは
どちらかといえば努力より先天的なものが大きいと思うのです。努力で変えられないとは
言いませんが。要は、キャプテンシーも重要な能力ではないか、と言いたいんです。

私は選手のプレーを見るのと同時に、選手のインタビューを読み、その人の
パーソナリティを分析するという行為が結構好きです。一種のマンウオッチングですね。
だからaiはある意味優れた専門誌だと認識しているのですが―欲を言えば、
選手自身と話すのが得意で、いろいろ聞ければ言うことないのですけどね。無理です。

う〜ん…ほぼ24時間が経過し、感情の爆発による言葉の奔流に飲み込まれていた頃と
比べたら相当落ち着いたと思うのですが、まだうまく書くことができません。
この話題はSBSを見てからもう一度やりましょう。今はU-16を見る時ですから。

でも―今日になって気づいたんです。あの時必要だったのは横断幕ではなくて、
KAKUDAの背ネーム入り代表ユニフォームだったと。かつてのKANEKOユニのごとく
背番号なし。これなら、U-16の皆さん(選手&スタッフ)や他の観客に
不快感を与えず、田嶋さんにだけダイレクトアタックをかけられた、と。
なにせ、2mぐらい後ろでしたから。そしてU-19の話題(角田さんに関係なしでオゲェ)を
大声でして注目を誘い、なぜ番号が抜けているかの意味を気づかせる…田嶋さんは
頭のいい人だから分かるでしょう。だから、その代案として浮かんだ
「紫色の"Road to UAE"幕をSBSで掲示」は、どうにかやってほしいんです…。
バナーも悪くないと思うのですが、どうしてもキャンペーンの趣旨をネガティブ、
つまりバッシングでない方向に持っていくことができません。もちろん、幕には
名前を入れずに、ですが(代表戦で選出されていない選手の横断幕をはるのは、
基本的に参加選手に対し失礼なのでNGだと考えています)

そのことに気づけなかった自分に腹が立つ(Kくん風)―そんな気分でした。

あと最後に、アンダーエイジ選手の皆さんへメッセージ、です。
自分の未来について真剣に考えてほしいです。理想論でなくシビアな現実として。
もう個別メッセージにしたいぐらいの心境なんですけど、丸一日考慮した結果、
やはり特定個人を指したものは見送りにします。こう書くきっかけを作って下さった
某さんに申し訳ないので…。自分が言える身でないのは百も承知ですけど、
東大よりもはるかに狭き門をくぐり抜けてプロサッカー選手に“なる”こと、
プロサッカー選手で“あり続ける”こと、特に後者はとても難しいのだと
理解してもらいたいです。たくさんのフットボーラー(特に若い選手)を
見てきただけに、素質がある選手にはきちんと伸びてもらいたい、好き嫌い抜きで
そう願っているんです。キーワードは“環境=所属チーム”です。


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