Land of Riches


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 2002年08月10日(土)   山本拓弥ウォッチングレポート(その2) 

豊田国際報告の前に、最近やたら取り上げている「選手を語る」ことについて
行く前に少し思ったことがあったんで、まずはそれを書きます。

サッカー選手、特に若い年代は日々成長(ペースはそれぞれだけど)し、
実は頻繁に見ないと真相は見えてこなかったりもします。1試合のパフォーマンス
あるいは一度練習へ行った時だけのファン対応を見て、その選手を判断するのは
非常に危険です。豊田国際はそれを承知で、そして読む方にも
分かっていただいた上でやっていますけれど(くどいですが、ご理解のほどを)。

See The Skyが前代未聞の9人合同運営になったのは、U-19年代(当時)の
選手好きを集め、より多くの選手について取り上げようという意図があったからです。
プレーヤーを語らせるには、その選手を好きな人にやらせるのが一番。
確かに好きゆえに甘く見てしまう部分も、少なくとも私にはありましたが、
(逆に、好きゆえに厳しく見てしまうところも、当然あります)
なにせ“谷間の世代”だった彼らは知名度もなし、まず知ってもらうことから
始めなければならなかったのです。よって、私は今でも、あのサイトの
メインコンテンツは、一番人気だったプチレポでも、私が間違った布陣を
平気で載せている(それを読まれてしまったのかと思うと壇ノ浦に
身投げしたくなる)レポでも、総力を結集して(?)作り上げた用語辞典でも、
担当さんの素晴らしい努力の結晶であるレコード類でもなく、
やはりDEEP DIAMONDS(選手紹介)だと思うのです。

私自身、他のメンバーの“愛情”を契機に興味を持った選手が少なくないですし、
自分もまた、微力ながら担当選手の魅力が伝われば、と思って作りました。
もっとも羽田&田原は選手権ヒーローで、応援サイトもその時点で既に
複数存在して、詳しいことはそちらで、という気持ちもなくはなかったですが。

DEEP DIAMONDSにこだわる理由はもう一点、当初はフラット9のご贔屓のみを
フィーチャリング紹介という形を取っていたのですが、後に「コンプリート計画」にて
アジアユース全登録選手など、テンプレとはいえ補完を行ったことです。
皆で分担しましたが、この時、私はさして自分が特にプッシュしているわけでもない
選手を一人担当しています。チーム全体に愛着が湧くにつれ、彼を見る機会も増え、
プレースタイルを書くのは困難な作業ではなかったのですが、語録の収集など
“好きでなければなかなかやる気には(少なくとも私には)なれない”ことも
やったんです。やれたんです。その選手のファンには物足りないかもしれませんが。

「好きなものは好き、いいものはいい」―ZEPHYRのトップに掲げたポリシー。
描写対象を…
・知らない人には知ってもらう。
・知っている人には認めてもらう。
・認めている人には好きになってもらう。
・好きな人にはもっと愛してもらう。
こんな大きな野望を胸に(なかなか形―レポートにはなりませんが(自爆))やってます。
野望、というより歪んだ愛情、と書く方が真実にも思えますが…ははは…。

なんだかまとまらなくなったので、豊田国際へ行きましょう。3日目。
◇第1試合 グアラニ vs ブルージュ
電車でのアクセスが不便と聞いたので早めに出たら、開門1時間前につきました(死)
ちなみに開門は第1試合の1時間前です。この試合は開始早々からグアラニの
ハーフコートゲーム気味の展開で、5分見ただけで地力の差が分かったほどでした。
最終スコアは5-1。これでグアラニはポストに2度はじかれ、PKも外してます。
彼らはラテン系なのでノリがよく、試合前も大声でなんか叫んでますし、
試合後はクラブのフラッグを囲んで輪になって踊ろう〜♪するんです。

ここでAグループの最終結果確定で、1位グアラニ・2位愛知選抜・3位ブルージュ。
一方、U-16の入っているBグループは2日目がフェイエ3−0バルサだったので、
バルサとドローだったU-16には厳しいかな、と思ったのですが、
最終日、何がなんでもグアラニとやってほしいのです。でないと強化にならない…きっと。

◇第2試合 U-16JAPAN vs フェイエ
・勝ち=Bグループ1位で決勝(vs グアラニ)へ
・引き分け、あるいは2点差以内の負け=Bグループ2位で3位決定戦(vs 選抜)へ
・負け=Bグループ最下位で5位決定戦(vs ブルージュ)へ

では、背番号順出場メンバー紹介と、マニアさんの知識も得つつ作った「像」を。
あくまでも私的な「像」であって、その選手の評価とかプレースタイル文では決してありません。

その前に、マニアHさんから提供していただいた「JFA発表よりも真相に近い
身長一覧」をご紹介。丹羽くんの身長(JFAでは170cm)の違いは、もはや笑いの世界…。
協会はその代表の初期招集から数字を変えない傾向があるそうです。why?

GK:八田くん=184cm、佐藤くん=179cm
DF:麻生くん=172cm、丹羽くん=179cm、天野くん=164cm、滝川くん=164cm、
青山くん=179cm、森下くん=183cm(←これ長原くんのデータじゃないですよね?(私信))
MF:上田くん=170cm、前田くん=173cm、細貝くん=177cm、山本くん=170cm、
新井くん=174cm、高橋くん=176cm
FW:川淵くん=176cm、藤井くん=173cm、永濱くん=184cm、岡本くん=175cm

身長データはフェイエ戦を語るには外せない要素(思い出し笑い)ですので、
頭の片隅に置きながら、これから書く駄文を読んでみて下さい。
本日のキャプテンは山本くん。集合写真のカウントも全員で元気よくして
(普通フル代表ではそれなりの身分の人、昔ならカズさんとかが一人カウントするもの)
ピッチへ散っていきました。ここで山本くんは一声かける習性があるそうです。

右SB:滝川敬祐くん(鹿島ユース)
「タキ」はスペシャリスト。特徴はその俊足、しかし瞬発力に優れている
わけではないという事情付き(苦笑) 駆け上がる距離が長いほど良さが出ます。
5バック・フェイエの左WBも彼とかけっこ勝負できるぐらいの足の持ち主でしたが。
スピードに恵まれている選手が歩みがちな道として、彼もまた技術が未熟な段階。
上がった後のボール扱いや、出してもらったボールを止めるトラップ(すごい
大きいんだよ!)に磨きをかけてもらいたく。彼の特色を知り尽くした
二列目右の山本くんとの超スピーディなワンツー突破は、見事すぎて歓声あげました。
持ち味をフル活用するパスを出すタイミングが難しい選手なのに、それができるんですから。
(ちなみに必然的にすごい鬼パスです。滝川くんも取れない時あり。
あと滝川くんを囮にして自らつっこむという使い方も会得。素晴らしい)

右CB:青山くん
本日のCBは前育コンビ。結果的に決勝点となったヘディングシュートは高さが
秀でてました。ちなみにその起点となる左CKを蹴ったのは前田くん。まるで
教科書に載せたくなるような、素晴らしいまでに綺麗なヘッドでした。おめでとう。
この後の、長い長い(体感)ロスタイム、彼らなりに残った気力を振り絞って
守備陣も攻撃陣も声をすごく出して自分たちを鼓舞してましたし、相手陣内で
極力キープ、攻め込まれてもマイボールにしようとする意識の高さを感じ、
苦しさの中でも勝利への執着心を見せ付けてくれたこのチーム全体に
非常に好印象を抱きました。よってMIPは該当者なし。代わりの人を後で選びます。
(はしゃぎすぎてスタンドへの挨拶忘れてましたが、若い子たちなので許す)

左SB:森下俊くん(磐田ユース)
磐田ユースが最大勢力になっているのは、集める意図の結果なんだとか。
守備は良かったですが、他の印象は薄かったかも。この日は右サイドメインだったので。

二列目左:上田くん
なぜか、とりたてて書きたい事項の残らない選手。レフティである、という程度の
印象しか残ってないですよ〜。後半途中の交代も仕方ない印象。ガンバレ!

二列目左:前田くん
上田くんに代わって登場。実は本職はここ。左利きドリブラー。須藤JAPANは
一芸に秀でている選手を積極的に登用しているとの分析もあり。

右ボランチ:細貝くん
当初はミドルを積極的に狙ってましたが、だんだんと飛び出しの方へシフト。
パス出しにも言えるんですが、すごく“見る眼”のある選手。ミドル打つのも
ゴール前まで出てくるのも、ちゃんと機を見て、しっかり判断してやってました。
この大会の背番号は機械的に振られているので意味ないんですが、それでも、
さすが10番と褒めたくなるセンスを感じさせてくれて、萌えました。
某高名鬼指導者さんが惚れ込んだ、などという噂があるのも納得。
…こう言われるのって一番嫌だと思われますが(苦笑)でも萌えちゃいました〜☆

二列目右:山本くん
腕章のせいか、吠えまくり度大増量。それが最後まで続かないところも、今の時点では
また彼らしさかも(指示するんじゃなくて、単に怒るだけになってしまう(苦笑))
「しゃべれ、しゃべれ!!」(←空を“裂く”鋭い声を想像してみて下さい)
シュートへの意識が高いのは変わらず。前半終了間際にはシュートがDFに当たり
コースが変わってGKをかわす形になり2試合連続得点。その直後、萌くんの
意外に(失礼な…)高いジャンプからの混戦から出てきたボールをショットしたのも
バー下ギリギリに入っていて、GKがなんとかはじくというノリノリっぷり。
後半も誰よりも先にピッチに出てきて、燃えているんだな、と思いました。
身体はできている方なので、当たりには比較的強いです。
そうだ、某たっくん病患者さんが持っていたパンフで春先撮影とおぼしき顔写真が
あったんですけど、それが私の中にあった1年前とのギャップを少し埋めてくれました。
やはり、段階的に男らしく洗練されていっているのですね…。

左CB:新井隆法くん(前橋育英)
声も出る、いいカットもする、でも最大の武器はマニアさんいわくの「隆法キック」?!
須藤監督の作戦変更に“しょうがねぇな”チックで(フェイエの守りが堅く、
放り込みが通用しなかったので、最初は「足元だ」と指示が出てました)
蹴り出したフィードが、まさか大興奮の逆転劇の口火を切るとは…。
守備では2失点とも絡んでいた(1点目は相手がうまい部分もあったけど、
2点目の左側のえぐりに新井・青山と簡単に抜かれたのは…)ので、ちょっと反省希望。
しかしフェイエは前半・後半のファーストシュートをきちりと枠に入れるあたり
すごかったです。特に後半のシュートはそれ1本だけだったりして。

左ボランチ:高橋くん
この日のU-16はバルサ戦とうってかわって、フォーメーションを基本的に崩さない、
あまり動かないようにやってました。それは前の試合の反省を踏まえてなのか、
堅守のフェイエが相手だからなのかは分かりませんが…高橋くんも相変わらず
怒られてましたが、彼なりに位置取りには苦心していた模様。でも攻めあがる
タイミングが萌くんと違って勢い任せ風で、活きないことが多々。もっと眼を磨こう。

左FW:川淵勇祐くん(市原ユース)
何か乗り切れない感じ。監督にも「川淵、邪魔するなって!」と集中攻撃くらう始末。
前半だけで下げられたのも仕方ないという感じ。頑張って巻き返せ!

左FW:藤井くん
川淵くんに代わり登場。足のケガがたいしたことなくて良かった…。
印象は特になし(…)。磐田の子はこんなのばかりですね…ちょっと寂しいです。

CF:永濱優くん(FC東京U-18)
後半、他のメンバーがアップしている時も動いてないので、ケガでもしているのかと
私たちは勝手に思ってましたが―滝川くんに代わって登場。3トップ(右SBは
山本くんが下がってやってました)策で劣勢を跳ね返そうというのです。
「ながはまー! ながはまー!」と壊れたように連呼する須藤監督。
そこで出た新井くんのフィードを落とし、岡本くんの同点弾(押し込み)を演出。
“秘密兵器”から“最終兵器”へ昇格した模様。もう一度身長を確認してみて下さい。

右FW:岡本くん
前半にフリーで放ったシュートを外した時はどうしようかと思いましたが…。
バルサ戦よりはいい動きしてました。萌くんのうまい攻め上がりを
ポストとしてナイスフォローしたりとか。2失点目後のキックオフでは
いきなりシュートなんてのもやってくれました。惜しくもなかったですが(苦笑)

GK:佐藤昭大くん(広島ユース)
八田くんと比べるとキャッチングは普通で、声は低く(回数やや少なめ)
立つ位置もやや下がり気味、かな。ロスタイムの逃走中に前育CBsとの連携が
乱れた時はヒヤヒヤしました。声出し確認は基本。忘れないでね。

本日のMIPならぬMIC:須藤茂光監督
作戦変更がズバリ的中。永濱くんを今後どうやって使っていくか、大注目です。
この方はあまり視察はせず、メンバー固定でチームを作ってきました。
世界大会への扉を開く闘いは、酷暑の中のハードスケジュールです。
豊田国際はナイター(明日は夕方か)ですし来週は北海道なので、
その点は参考になりません。選手と日本サッカーの未来のために頑張って下さい。

2002.8.11wrote


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