Land of Riches
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「呪(しゅ)とはな、ようするに、ものを縛ることよ。 ものの根本的な在様(ありよう)を縛るというのは、名だぞ」(夢枕獏「陰陽師」)
一人の人間が持つハンドルネームが、一つとは限らない。インターネットの世界では、常識、ですかね? 現に私も一つに統一はしてませんけど、これでも面倒で昔より減らしました。 「…実は『やぶ』だったんです」みたいに自ら白状して。それくらい、使い分けは面倒くさい。
別人を演じられるのは、インターネットの悪しき長所でしょうか、善悪で分類するなら。 与えられる情報は、ハンドルネームという“仮名”と、語り口、そして話す内容のみ。 私の場合は、器が小さいというか視野の狭い人間なので、書く中身が限られ、それでバレます(笑) たとえば鹿#14―“羽田さん”だったり“羽田くん”だったり“羽田”だったり“ハネ”だったり―ファンだとか。
スタジアムや練習場で本名を呼ばれることはまずなく、逆に呼ばれたらこちらが戸惑うでしょう。 それくらい、もう「やぶ」というハンドルは私に染み付いてしまいました。もう4年ですか。 明らかに、それ以外のハンドルとは愛着というか、なじみ方が違います。他のはやはり仮の名前。
誰かを信じる時、何を持って相手を定義―限定するかといえば、間違いなく、その名前をもってして。
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