橋本裕の日記
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2008年02月23日(土) クロサギの話

先日、妻と漫画喫茶へ行った。わたしのお目当ては「ドラゴン桜」である。妻が読んでいたのは、「クロサギ」という漫画だ。いわゆる詐欺師の物語らしい。

 詐欺師にもいろいろある。金銭をまきあげるシロサギ、異性の心と体をもてあそぶアカサギ、そしてこのシロサギとアカサギという詐欺師を食い物にする、詐欺師専門の詐欺師がクロサギだそうだ。

 主人公の黒埼青年は父親がシロサギにあい、一家心中でひとりだけ生き残った。そこで詐欺師たちに復讐を誓って、クロサギになったらしい。「どんな話がかいてあるの?」と妻に訊くと、出張ホストの話しを紹介してくれた。

 求人雑誌や新聞で、「出張ホスト」のアルバイトを募集している。これに募集すると、ときにはとんでもない体験をすることになるそうだ。

たとえば、登録料を3万円とられる。そのあと、客を紹介されるのだが、約束の場所で待っていても客は現れない。そこで事務所に連絡すると、「お客さんは行かれたようですが、どうもあなたを見て、会うのを断念されたようです」と言われる。

こういわれると、本人は自尊心を傷つけられてショックを受ける。そしてたいていは身を引く。つまり、3万円の取られ損なわけだ。おまけにこのトラウマをかかえたまま生きていかなければならない。しかし、実際は客はこなかったのである。これは詐欺である。

もっと手の込んだやりかたもある。客の女性があらわれ、「すっかりあなたが気に入った」とほめあげる。そしてお金をはずんでくれる。しかし、これが甘い罠で、結局その青年は最終的にお金を巻き上げられて捨てられる。

いずれにせよ、ベテラン詐欺師は人の心をつかむのがうまい。私たちは面白いように料理されてしまう。こうした悪徳詐欺師を詐欺にかけるのだから、クロサギの心理術はその上手を行かなければならない。知能の勝負だ。

世の中は偽装や詐欺が横行している。詐欺にかからないために、漫画「クロサギ」を読んで、少し詐欺師の研究をするのもよかろう。


橋本裕 |MAILHomePage

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