橋本裕の日記
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2008年02月09日(土) 人生の微分と積分

昨日は人生の大波小波をサーファーの気分でやりすごす話をした。現在の瞬間、瞬間に意識を集中し、現在を中心に、そのさまざまな変化の相を読み取る。そうして人生の変化を楽しんだり、味わったりする。こうした生き方を私は「微分型の人生」と呼んでいる。

「微分」というのは「細かく分ける」ということだ。数学的に言うと、一次的な変化、二次的な変化(変化の変化)、さらにその変化のその奥に潜む変化、という具合にどこまでも深く世界の実相に緻密に迫っていく。だから、微分型の人生で大切なのは、「今を精一杯たのしく生きる」という姿勢である。

 これに対して、毎日こつこつと努力を続けて成果をあげるというのは、「積分型の人生」である。「積分」というのは、「細かく分けたものを積み重ねる」という意味である。個々の時点での経験を積み重ねて、人生を大きく捉える。

微分が分析なら、積分は総合である。物理学でいう速度や加速度は微分して得られる量であり、面積や仕事量は積分して得られる量である。物理学の場合は自然界の法則は微分方程式で与えられることが多い。そしてこれを積分することで、未知の積分量を求める。

私たちの人生も、さまざまな経験が積み重ねられて出来上がっていく。個々の変化を分析することも大切だが、そうして千変万化する現実を前にして、これをどうやって乗り切るかと言うことになると、大局的な判断が大切になる。

 今を生きることも大切だが、過去の思い出や経験も大切である。また未来に対する見通しや夢や希望を持つことも大切なことだ。理想の人生を生きるためには、私たちは人生の微分術と積分術に習熟する必要がある。

 微分術と積分術は個人的な人生を考えるときばかりではなく、国や世界のあり方を捉えるときにも役に立つ。とくに政治や経済の分野では必要不可欠なアイテムだ。政治家はこれに習熟して、国民を幸せへと導く正しい判断ができるようになってほしい。


橋本裕 |MAILHomePage

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