橋本裕の日記
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私はやったことがないし、またやれそうにもないが、サーフィンをしている人を見て、面白そうだなと思うことがある。次々と押し寄せてくる荒波に果敢に向かっていく。しかもベテランになると滅多なことで転倒したりせず、波乗りそのものを楽しんでいる。
私たちの人生も荒波の連続である。一つの波が去ると、また次の波が控えていて、私たちの頭上に襲いかかってくる。これをどうしのいでいくか。そう考えると、なかなか大変である。
「さあ、荒波よ、どんとやってこい。見事に乗り切ってやるぞ」
その意気込みやよし。しかし、人生のサーフィンはむつかしい。私の場合は波乗りを楽しむというより、波にもてあそばれ、転倒につぐ転倒である。泣きたくなり、意気消沈したときもあったが、それでも何とか立ち上がり、悪戦苦闘の揚句、この年になったというのが実感だ。
人生の波乗りがちょっとだけ楽しめるようになったのは、最近のことだ。50歳を過ぎて、体力や気力が落ちて、もうそろそろ人生を引退しなければならない頃になって、ようやく波乗りのコツが少しわかった。
そのコツと言うのは、「無理をせず、子どものように波とたわむれる」ということだ。不恰好に転倒するのもよし、人に笑われるのもまた一興である。
そのくらいの覚悟がなければ、私のような不器用な人間には人生のサーフィンはむつかしい。さて今日はどんな波が寄せてくるか、サーファーになった気持で楽しむことにしよう。
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