橋本裕の日記
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中野重治という作家が、「何が一番好きか」という問いに、「学問」と力強く答えていた。私がそれを読んだのは学生時代だったが、とても深く共感した。そして現在の私も、何が一番好きかと訊かれれば、中野重治のように、迷わず「学問」と答える。
「学ぶ」ことほど楽しいことはない。自然科学であれ、社会科学であれ、語学でもなんでもよい。とにかく「学ぶ」ということは人生に新しい発見と展望をもたらし、心を活性化してくれる。世の中に「学問」ほどスリリングで面白いものはない。
人生にあたらしい風をもたらすものには、「旅」がある。だから二番目に好きなことは何かと訊かれたら、「旅」だと答える。この夏はセブで3週間勉強し、そのために金欠病で青春18切符の旅ができなかったが、国内、国外を問わず、旅はたのしい。芭蕉のように人生そのものが旅だと感じられれば、人生をもっと楽しむことができるのではないか。
それから、私にはもう一つ、楽しみがある。それは「書くこと」である。とくに「学び」や「旅」のなかで体得したこと、感動したことを書くときは楽しい。人生そのものが学びの場であり、旅であるとすると、日常のあらゆる事柄が面白く感じられ、書くことの対象になる。
「旅をしながら、学び、それを文章として残す」というのは、人生の快楽が三拍子そろっているわけで、私にとってはいわば人生の理想形である。これからもこの「三位一体の幸福」をよりどころにして、人生を大いに楽しみたいと思っている。
(今日の一首)
学びつつ旅する人生いつまでも 心うきうきコスモスゆれる
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