橋本裕の日記
DiaryINDEXpastwill


2007年05月15日(火) 国民投票法が成立

 昨日、国民投票法が自民と公明の与党の賛成で参議院を通り成立した。投票法の成立を受けて、日本国憲法ができて60年、これから日本の姿が大きく変わろうとしている。今回成立した法案の骨子を朝日新聞の記事から引用しよう。

●投票テーマ
   憲法改正に限定
●投票年齢
   18歳以上
●周知期間
   国会発議から60日以降180日以内に投票を実施
●運動の規制
   公務員・教員の地位を利用した賛否の勧誘の禁止
●広告規制
   投票14日前からテレビ。ラジオによる広告を禁止
●施行時期
   3年後。施行まで衆参両院の憲法審査会は
   改正案の審査・提出をしない。

 国民投票法には最低投票率の問題をはじめ、公務員や教員の運動に対する規制など、大きな問題がある。こうした大切な問題を煮詰めないまま、国民的な議論も中途半端なまま安倍・自民党は押し切ってしまった。安倍首相は7月の参院選で改憲を問おうとしている。

 自民党が作ろうとしている新しい憲法案では9条2項の戦力不保持や交戦権否認の規定は削除されている。代わりに「我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍を保持する」といった文言が入る。自衛隊は軍隊として認められ、そして海外派兵も可能になる。

 さらに9条の2の3で、「国際社会の平和と安全を確保するために国際間に協調して行われる活動に参加する」としているからだ。この文言は集団的自衛権よりさらに広い。国際社会の安全と平和のためにという名目があれば、自衛隊は世界中で武力行使ができる。

 小泉政権になってから構造改革が進み、ここにきて格差問題が深刻化している。東京都の15歳から24歳の若年層は男女合わせて4割から5割が非正規雇用と失業だという。国民健康保険料未納による保険証剥奪問題や、ワーキングプアの深刻な状況がある。

 こうした国民の医療や福祉、労働問題を解決することが安倍政権の先決課題ではないのか。財界上層部の強い後押しを受けた安倍・自民党政権の強引な改憲戦略は、こうした日本の庶民がおかれた厳しい現状と、あまりにもかけ離れている。この政権が一体誰のための政権か、私たちはしっかり見極めた上で、来るべき7月の参議選挙に臨むべきだろう。

(今日の一首)

 庭の琵琶実も青々とふくらんで
 黄色に色づくその日は近し


橋本裕 |MAILHomePage

My追加