橋本裕の日記
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2007年05月11日(金) |
田んぼでケリの子育て |
毎年、この時期には田んぼで、二羽のケリ(チドリ科)が雛を育てている。ケリのヒナは土色をしているので、よほど眼を凝らさないとわからない。しかし、ケリのヒナがいることは分かる。田んぼに近づくと、二羽の親鳥がけたたましく「ケッケッケッ」と鳴きだすからだ。
http://shorebirds.exblog.jp/i6 (ケリの写真が見れます)
鳴かなければわからないのに、馬鹿だなあと思うが、親鳥たちにしてみれば必死である。ときにはカラスにでも人間にでも襲い掛かってくる。一昨年死んだ愛犬リリオも散歩の途中襲われていた。
もっとも、小柄な可愛い鳥なので、襲われても怖いとは思わない。この鳥の一番の武器はその「ケッケッケッ」という甲高い声である。この声で威嚇されると、カラスでさえ少しだけたじろぐ。そして面倒くさそうに、場所を変える。
このケリという鳥を私は長い間「イソシギ」だと思っていた。2005年6月23日の朝日新聞の「声」の欄に、私の投稿が掲載されているが、そこではイソシギ(シギ科)と書いている。こんな具合だ。
ーーーー 子育てに成功、イソシギ一家 −−− 2005,6,23 朝日新聞掲載
毎朝、散歩をしている。田んぼに早苗がすくすくと育ち、民家の軒先にはアジサイが咲き始めた。木曽川が近いせいか、カモやシギの姿もみかける。
畑の中にイソシギの巣があり、2カ月ほど前にヒナがかえった。私が近づくと、親鳥が「チッ、チッ、チッ」と警告し、ヒナたちが田んぼの方にはねるようにして、かけていく。
やがてヒナ鳥も大きくなり、空も飛べるようになった。そして突然、畑からイソシギの親子の姿が消えた。そのかわり、近くにイソシギのものと思われる羽が落ちていて、草陰には黒猫がいた。
私は胸騒ぎを覚えた。しかし、木曽川の河原に見覚えのあるイソシギの親子がいるのに、胸をなで下ろした。親子は舞い上がると、あいさつでもするように私の頭上をかすめていった。
田んぼが埋められ、畑も姿を消す中で、イソシギや他の鳥たちも、安心して子育てできる環境ではなくなりつつある。それでも、人家のすぐ近くの小さな畑で、めげずに立派に子育てを成功させた彼らに、エールを送りたい。
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投稿から2年を過ぎ、田んぼはますます埋め立てられた。それでも残された田んぼで子育てをするけなげなケリの姿を、今年も見ることができた。この季節、散歩をするのが楽しみである。今日は双眼鏡を片手に出かけてみようかと思う。
(今日の一首)
田んぼではケリの夫婦がけんめいに ヒナを育てて初夏を迎える
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