橋本裕の日記
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2007年04月17日(火) |
数学が好きになる教科書 |
定時制高校を希望したことの理由の一つに、数学の教科書を自前で作りたいということがあった。日本の教科書は数学に限らず、読んでいて面白くない。整然と要点が書かれているが、生徒の学習意欲を掻き立てる筋書きにはなっていない。30年近く教師をしていて、これが不満だった。
そこでもう少し面白い教科書を自前で作りたいと思った。できることなら、算数の基本から高校で学習する微分・積分までをカバーする総合的な教科書を完成させたい。これをインターネットで公開して、多くの人に読んでいただき、数学の目的である「自分の頭でものを考える」ことの魅力を伝えられたら嬉しい。
残念ながら、この計画はまだ絵に描いた餅である。この二年間、毎回授業プリントを作ってきたが、まだ補助的な「授業プリント」という段階である。しかし、これに肉付けして、いずれは私の目指している理想の教科書を実現したいと思っている。
今年は4年生の理系クラスで、「微分・積分」を教えることになった。毎日学校でその授業に向けた学習プリントを創作している。「微分とはなにか」「積分とは何か」を分かりやすく解説するだけではなく、実際、これを使って、身近ないろいろな問題を分析し、様々な問題がこれを使って解決できることを示したい。そのためにこれをどう教えるか、いろいろと本を読んだり、自分で考えをめぐらせたりしている。
さいわい、大学を卒業した次女のノートパソコンが家に置いてあったので、さっそくこれを学校に持参することにした。これまでは職員室のパソコンを遠慮しながら使っていたが、これで心置きなく、時間を気にしないで教材を製作できる。三年目にして、ようやく教科書を書くための環境が整った。
数学はともすれば「難しくて役に立たない」ものの代名詞のように言われるが、これは誤解である。この誤解を吹き飛ばすような、読んでいて楽しい、しかもパワーのある教科書を、残された4年間のうちに書いてみたい。できればその英語版も書いてみたいものだと思っている。
(今日の一首)
たのしみは人の心に火を点し よろこび輝く笑顔を見ること
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