橋本裕の日記
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2007年04月03日(火) 黄砂襲来

  昨日、近畿や中部地方を中心に黄砂が襲来した。私が住んでいる一宮も、勤務先の名古屋も、一日中白いもやがかかったようにあたりがかすんで見えた。はじめは春霞かと思ったが、そんな風流なものでないことは、そのほこりっぽい匂いでわかった。夕方の太陽が満月のように西の空に傾いていたのが、かなり不気味だった。

 黄砂は中国・モンゴルの乾燥地帯を襲う砂嵐によって大量の砂が舞い上がり、強い西風に乗って運ばれてくる。飛来量は、発生域の強風の程度に加えて、地表面の状態(植生、積雪の有無、土壌水分量、地表面の土壌粒径など)や上空の風の状態によって左右されるという。中国はオリンピックが開催されることもあって、急速に工業化を進めている。このため今現在中国国土の18パーセントが砂漠化している。今後ますます黄砂が日本列島にやってきそうだ。

 日本で観察される黄砂の粒の大きさは、タバコの煙の粒子の直径(0.2〜0.5μm )よりやや大きいくらいで、成分分析では、シリコンが24〜32%、アルミニウムが5.9〜7.4%、カルシウムが6.2〜12%、微量の鉄、このほかに、マンガン、ヒ素、クロム、ニッケルなどの有害な物質も含まれている。

 さらに、名古屋大学太陽地球環境研究所の大気化学の研究グループの分析では、窒素酸化物や硫黄酸化物といった大気汚染物質が、黄砂の一粒ずつに多量に吸着していることが確認されている。韓国では病原菌なども検出されているという。

 黄砂は汚染物質を多量に含むので、気管支炎の人には最悪で、アレルギー症状を誘発することもあるそうだ。花粉症が、花粉単体ではなく、窒素酸化物などの大気汚染物質と混合されることで発症しやすくなるのと同じ原理だ。私もこうした埃っぽい空気を一日吸い続けたせいか、黄色い鼻水が出始めた。今朝は痰のからんだ咳もでる。今日も黄砂は続くようなのでつらい。

 黄砂は中国で死者を出すなど、大きな社会問題になっているが、韓国や日本でも農作物や人体への被害が出ている。目の炎症や、肺炎になる人もいる。浜名湖より東の地域には、大量に黄砂が飛散することが少ないので、東京中心のメディアで黄砂が話題になることは少ない。

 しかし、昨日は東京でも黄砂が舞ったという。これからは環境問題として中央のメディアも取り上げるだろう。日本政府も中国や韓国に働きかけ、国際協力事業として黄砂対策に本腰を入れてほしい。

http://www.okadaue.com/health/e58.htm

(今日の一首)

 黄砂にて満月に似た日が沈む
 この世の終わりもかくの如しか


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