橋本裕の日記
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2007年04月01日(日) 浜松の姫様道中

 昨日は妻と次女と私の3人で浜名湖へ桜見物に行ってきた。青春18切符を使って東海道本線を木曽川から新所原(しんじょはら)まで行き、そこから天竜浜名湖鉄道に乗り換えて、「気賀」(浜松市)というところで降りた。そこでたまたま隣に座った人から「姫様道中」という行列のお祭りをやっていると聞いて、「それを見よう」ということになった。

 江戸時代に「気賀」は街道の宿と定められ、徳川家康によって関所が設けられた。この街道を往時は公家や大名家の貴婦人たちが通り、いつしか姫街道と呼ばれるようになった。「姫様道中」はこの行列を再現したもので、籠のお姫様に従う侍や奴、上臈、小姓、腰元、茶坊主、典医など、総勢百名以上のきらびやかな行列だという。練り歩くだけではなく、途中で手踊りや奴踊りも披露する。お姫様も籠から降りて、一緒に踊るよだから楽しみである。

 私たちは行列の始まる12時ごろに気賀駅に着いた。パレードは2時間あまり続くというので、まずは腹ごしらえをすることにした。隣に座った人から、「うなぎがうまいのは清水屋です」と聞いていたので、駅から少し離れたところにあるその店に直行した。混んでいて少し待たされたが、たしかに鰻はおいしかった。

 その店の近くが都田川の堤だった。そこの桜が有名だというのでそれを見に行った。しかし並木の桜はまだ4、5分咲きと言ったところである。家族3人で河畔を散歩したあと、いよいよ「姫様道中」を見物することになった。街中をにぎやかな音楽や人だかりのする方へ歩いていくと、運のよいことにたまたま踊りの最中だった。

 上臈や腰元たちにまじって、お姫様も踊っている。大勢の人がカメラを構えて写していた。私たちも人の肩越しに踊りを眺め、ときには前に出て写真を撮った。お姫様は愛嬌がよく、上臈や腰元たちも踊りながら笑顔を絶やさない。同じところを輪になって何回か回ってくれるので、こちらはじっとしていればよい。写真を撮るにはありがたかった。

 パレードを見終わって、お土産に名物の「みそまんじゅう」などを買った。それから駅に急ぐと、3時少し前の電車に乗ることができた。車窓から浜名湖が見え、ところどころ桜が咲いているのが見えた。これで青春18切符は使い切り、春の旅は終わりである。これからは木曽川の桜を眺めて、満足することにしょう。

(今日の一首)

 上臈や腰元たちも美しく
 往時をしのぶ姫様道中


橋本裕 |MAILHomePage

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