橋本裕の日記
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2007年03月16日(金) |
フィリピンで日本語教師 |
フィリピンには日本人の父親に認知や養育を拒否され、まずしい生活を余儀なくされている日系二世の人たちが2万人ほどいる。新日系人とよばれる彼らは、戦後フィリピンに渡った日本人とフィリピン女性との間に生まれた子どもや、日本に渡ったフィリピン女性と日本人との間に生まれた子である。
セブにもこうした新日系人の子どもがたくさんいる。彼らを支援するために、セブ日本人会の会長をつとめた岡昭さんはSNN(新日系人ネットワーク・セブ)というNPO(非営利法人)を立ちあげた。彼らの活動は新聞でも報道されたし、去年9月3日にはNHK総合テレビ「海外ネットワーク」でも取り上げられた。私のおぼろげな記憶では、「クローズアップ現代」でも取り上げられていたと思う。
SNNの活動の一つに、「海外日本語教師ボランティアプログラム」がある。週3日間新日系人に日本語を教えながら、2日間はセブの英語学校に通って英語力をマスターするというプログラムである。つまりボランティアで日本語教師をしながら、英語もマスターできるわけで、とても魅力的である。「SNN海外日本語教師ボランティアプログラム」のHPから引用してみよう。
「英語力の向上はもちろん、教師として日本語や日本文化を教えることによって、異文化理解やコミュニケーション能力を高めることができます。また教師として一方的に教えるばかりではなく、生徒達からも多くのことを教えられる機会があります。プログラム終了後、その経験はあなたとあなたの教え子達双方の人生にとって、大きな収穫となることでしょう。必要なのは、学歴や経験よりも、積極性と向上心です。日本語教室の生徒達の熱心さに負けない熱意のある方の参加を期待しています」
HPにはこのプログラムに参加した人たちのメッセージも掲載されている。
<私は日本で小学校教諭の職を辞し、暖かいセブ島の「青い空」「輝く太陽」「珊瑚礁の海」に憧れて退職後の人生を過ごすべく、セブ島に来ました。ここでもう5ケ月が過ぎ、「SNN日本語会話学校」で週3回×2時間の授業を担当していますが、私にとっては「健康な生活にリズムを確立させる」上で貴重な体験となっています。そしてさらなる「生きがい」を感じています>(渋谷春通さん)
<生徒はとても明るく、教室ではジョークや笑い声が絶えません。皆さんほんとうに日本に行きたい人ばかりなので、授業はもちろん、宿題もまじめにやり、やりがいがあります。授業では私が教えるというよりも、教えられることの方がとても多いです。何気なしに使っている日本語をどう生徒に説明するか、私が日本語を客観的に見る勉強にもなっています>(菅原宏美さん)
資格は18歳以上であればとくに問われない。ただし期間は8週間以上なので、会社員や公務員が短期休暇を利用して気軽にというわけにはいかない。このプログラムに参加するためには退職・休職するか、定年を待つしかないわけだ。大学生なら半年か1年間休学して、このプログラムに参加し、ボランティア体験を通して世界を学ぶのもいいかもしれない。私も定年後の選択肢の一つに考えている。
(参考サイト) http://www.ryugaku-webdirect.com/volunteer-japaneseteacher.html
(今日の一首)
夕食は妻の握りしおむすびを ふたつ平らげお茶を一杯
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