橋本裕の日記
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この週末、青春18切符の旅に出たいと思っていたが、あまり天候がよろしくないのであきらめた。どうも最近は体調がいまひとつである。おそらく花粉症が再発したことが大きいのだろう。おかげで散歩のときまで、マスクをつけるはめになった。これでは散歩をしても心が晴れ晴れしないわけだ。
本を読んでも、音楽を聴いても、気分が浮き立たない。こういうときは万葉集を読むに限る。こころの栄養素がいっぱいついまっているからだ。さっそく、本棚から犬養孝さんの「万葉の人々」(角川文庫)を取り出してきた。
もののふの八十(やそ)おとめらがくみまがふ 寺井の上のかたかごの花 (巻19−4143)
大好きな大伴家持の歌である。一昨年の今頃だったか、この歌が詠まれた富山県の国庁あとを一人で訪ねたことがあった。寺井の跡というところに、かたかご(かたくり)が生えていたが、花はまだ咲いていなかった。今年は暖冬なので、もうそろそろ咲き出したかもしれない。
もう一度訪れてみたい。その気が少し動いた。富山まで行くとなると、金沢あたりで一泊したほうがよい。そうすると金沢も歩いてみたくなった。浅野川の橋を渡り、むかし下宿していたお寺の界隈をあたりも散歩したくなる。
ひさしぶりに卯辰山にも登ってみたい。それから電車に乗って、内灘にも行ってみたい。いずれも私の青春時代の思い出がいっぱいつまっているところである。当時はどうしようもないほどさびしい思いを抱きながら、内灘の砂丘をさまよい、夜の卯辰山を徘徊したことがある。そんなさみしい過去でも、今振り返ってみてかぎりなく懐かしい。思い出とは不思議なものである。
(今日の一首)
さびしいなあくびをしてもさびしいな さかだちしてもまださびしいぞ
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