橋本裕の日記
DiaryINDEXpastwill


2007年01月06日(土) 英語耳を鍛えるために

 昨日はtenseiさんとランチを食べながら、「日本語に主語はいらない」というテーマを中心にして、いろいろと話をした。私たちは去年の暮れから、この問題で盛り上がっている。「橋本裕の独り言」が「独り言」でなくなっている。これは「対話好き」「議論好き」の私にとってたいへんうれしいことだ。

 tenseiさんは「国語科」の先生で、もう20年以上も高校生を相手に、古典や現代文を教えている。「文法」はおてのものだし、それにフランス語もできる。「ことば」の問題に関しては、教育実践をとおして積み上げてきた実績がある。だから、「日本語に主語はいらない」ということについて、一定の評価をしながらも、「ほんとうにそうかな?」と慎重な姿勢を崩さない。友好的ななかにも、「何が真実か」ということについては妥協しない。

 そんな彼と会話しながら、いろいろ教えられ、考えさせられた。たとえば、「英語の文章は音節の関係で、短く発音できる」という指摘にはなるほどとうなずいた。

「私はあなたが好きです」(ワタシハ、アナタガ、スキデス)は12音節もあるから発音するには6秒ほどかかる。しかし、「I love you.」はたった3音節だ。ネイティブだったら、これを「アラヴュ」とひと塊に発音するだろう。日本語で「ワタシガ」と3音節言っている間に、英語はもう文章が終わっている。

 日本語の場合、こうした母音中心の発声なので、シラブルが多くなり、「主語」や「目的語」が省略されがちになるのではないかという指摘だった。そうした発声面のことは頭になかったので、「なるほど」と納得した。英語は文章に書くと長くなるが、発音すると実に短く感じる。だから英語を聞き取ろうと思ったら、よほど「耳」を鍛えなければならない。

 耳をきたえるには、アメリカのテレビドラマを見るのがいい。さいわいtenseiさんがアメリカの人気ドラマシリーズ「24」のDVDを貸してくれた。全12巻で24時間分の大作である。家に帰って、さっそくこれを見始めた。面白くてやめられない。夜中の12時近くまで、5巻(10時間分)まで見た。おかげで今朝は寝不足である。さて、「英語耳」は鍛えられだろうか。

(今日の一首)

 雨音にやさしきこころ誘われて
 ほのぼの思ふ母のことなど

(今日は朝から雨である。午後にはあがりそうなので、散歩は午後にまわすことにしよう。こうして木の葉や屋根のひさしや路上に落ちる雨音に耳を傾けていると、こころがやさしくほどけて行って、どこか遠い世界へ誘われるようだ)


橋本裕 |MAILHomePage

My追加