橋本裕の日記
DiaryINDEXpastwill


2007年01月01日(月) 今年の抱負

 昔の元旦の日記を読むと、しばしば「今年の抱負」について書いてある。たとえ書いてなくても、「今年はこんなことをしよう」と考えていたようだ。毎年、何か一つは新しいことをしたいという思いが私のなかにある。元旦のあらたまった思いが、昔からそんなふうに私を誘うらしい。

 去年は「ネットで株取引」というのが、あたらしい経験だった。その顛末は「橋本裕の株式入門」に書いた。証券会社を選び、書類を取り寄せ、これを書いて提出。そして送られてきたパスワードを使って、いよいよ株を売買する。いやその前に、専用の口座にお金を預けなければならない。妻から借りた100万円を入金した。

 株式の本を買って「チャート」の眺め方なども研究し、書店や喫茶店では株関係の雑誌にも目を通した。日経新聞も時々目を通し、経済や株の値動きに一喜一憂し、ライブドア事件、村上ファンド事件のときは、庶民として彼らの金権体質を糾弾する気持と、株主として「これは困った」という気持の両方を味わった。この一年を振り返ってみて、いい勉強になった。

 一昨年の目玉は、初めての海外体験である。長女が大学を卒業して社会人になったので、これを記念して3月には家族でタイへ行った。さらに9月には単身でフィリピンのセブ島に短期英語留学をした。おかげで私は毎月の小遣いが半分なり、ケチケチ人生を余儀なくされたが、しかし、この海外体験は貧乏を補ってあまりある喜びと充実感を私にもたらしてくれた。

 このように、毎年何かあたらしいことに挑戦したい。これによって、人生の幅が広がっていく。人生で楽しいことが増え、ものの考え方にも広さや深さがもたらされる。それだけ、人生が味わい深くなる。

 毎日俳句を作り、日記に掲載した年もあったし、「今年はピアノをやるぞ」と電子ピアノを買った年もあった。あるいはオカリナを始めた年もあり、水泳を始めた年もある。「今年はヘッセを読もう」と心に決めて、高校生のころから愛読していたヘッセの作品をもう一度再読したこともあった。ドストエフスキーの年もあったし、トルストイやサルトルの年もあった。

 仏教大学の通信課程に入学し、「国語科」の教師になるべく、国文学を勉強をしたこともあった。8月には3週間ほどスクーリングがあり、大学の寮に泊り込んで、そこで一緒になった人たちと人生や文学について、おおいに語り合った。夜、京都の街に繰り出して、酒を飲んだりしたのも、今ではなつかしい思い出だ。

 振り返ってみると、我ながらいろいろなことに挑戦し、人生を楽しんできたものだ。死ぬまでこの姿勢を続けたいと思っているが、さて、それでは今年の抱負は何か。いろいろやりたいことのなかで、今年は「今日の一首」と題して、毎日短歌を作ろうと思う。「継続は力なり」という言葉を信じて、ちょっと短歌をがんばってみよう。もちろん、たのしみながら、のんびりがんばるのである。

(今日の一首)

 除夜の鐘耳を澄ませばかすかなる
 妻に聴こえて我にもとどく

(最初聴こえなかったので、耳まで遠くなったかとあせりましたよ)


橋本裕 |MAILHomePage

My追加