橋本裕の日記
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昨日はクリスマスイブ、そして朝から清々しい快晴だった。8時頃、次女と妻と3人で連れ立って、一宮市の市長選挙の投票に行った。5人の候補の中で、ただひとり公共事業の縮小を掲げている候補がいたので、その候補に投票した。
私のすむ辺りはまだ開発がすすんでいない。その分、長閑な田園風景が残っている。これを壊してほしくはない。そういう思いで投票したが、公共事業で食べている人には気の毒だ。教育や福祉政策の充実をお願いしたい。
選挙から帰って、次女はすぐに家を出た。これから彼氏と1泊2日で神戸に遊びに行くのだという。長女も彼氏と旅行だそうだから、クリスマスイブもクリスマスも夫婦二人ということになる。まあ、年頃の娘をもつ親はこんなものかも知れない。
娘を送り出したあと、珍しく妻が「たまには二人で散歩でもしてみない」と誘ってきた。そこで明るい日差しの中を、木曽川の川原まで二人で歩いた。
川原は一面の冬枯れである。そして小石と砂の緩やかな傾斜の向こうに青い木曽川の流れがある。私が小石を拾って川面に投げると、しばらくして空の一角に2羽のトンビが姿をあらわした。
この2羽はこのあたりを縄張りとしている夫婦だ。そこで妻が持参した「かしわの皮」を水面に投げてやった。2羽のトンビは輪を描きながら悠々と降りてくる。
しかし、トンビが水面に降りる前に、横合いからすばやく餌を失敬していくものがある。それはカラスたちだ。すでに私たち夫婦が川原に現れたときから、カラスが一羽、近くの枯れ木に止まって様子を眺めていた。餌を投げると同時に、そいつが「カア」とないた。
そうするとカラスが何羽もやってきた。トンビが上空で優雅に輪を描いているあいだに、彼等は一直線に水面をかすめ、次々と餌を失敬していく。トンビが水面に来たときにはあらかたなくなっている。
そこで妻はその頃を見計らって二回目の餌を播く。カラスが再び殺到するが、二羽のトンビもどうにか餌にありつく。そうしているうちに、上空にもう一羽、別のトンビがあらわれる。いつもは2羽がつがいでくるようだが、昨日は1羽だけだった。
そこで妻は、その新参のトンビにも餌をやろうと、最後まで残しておいた餌を海面に投げてやる。ところがカラスには鷹揚だった先着のトンビのオスが、この新参者のトンビに襲いかかる。新参トンビはその襲撃をかわして、なんとか水面の餌を掴む。
しかし、あとは妨害されて、なかなか水面に近づけない。二羽のトンビがこうして内輪揉めの縄張り争いをしている間に、カラスが次々と餌を奪い合う。
「馬鹿だな、餌を食べてから喧嘩すればいいのに」 「いつもこうなのよ。これじゃ、トンビはカラスに負けるわね」
私も妻も抜け目のないカラスよりも、このどこか間が抜けたトンビが好きだ。私もトンビが餌をとると、「よくやった」と思わず拍手をしたくなる。「トンビよ、カラスに負けるな。そしてもうすこし、利口になれ!」と思わずにはいられない。
(昨年の今日、飼っていたうずらのハルコが死んだ。クリスマスの日がハルちゃんの命日である。ハルちゃん、メリークリスマス。天国でも元気に砂浴びしているかい)
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