橋本裕の日記
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2006年12月23日(土) どの国に生まれたい?

 私は生まれ変わりということを信じていないが、「今度生まれてくるとしたら、どんな国がいいか」というふうなことは考える。そして、人にも質問する。

Aさん「私はスエーデンやフィンランドのような平和で豊かな福祉国家がいいですね。税金は高いが、その代わり教育費も医療費も全部国が面倒をみているでしょう。政治がしっかりと役目を果たしているので、貧富の格差が少ない。社会が安定していていいですね」

B君「僕はアメリカのような自由な社会がいい。たしかに格差はあるけど、その分、成功すれば大金持ちになれるし、夢のような生活ができる。お金ばかりではなく、いろいろなことに挑戦できるのが魅力だ。ぜひ、アメリカ人として生まれ変わりたい」

 私の同僚のAさんも、息子さんのB君とこんな会話をしたのだという。北欧を旅行したことがあるAさんは、日本もフィンランドのような福祉国家になればいいと思っているが、アメリカに留学体験のある息子さんは、フィンランドは退屈でつまらない、アメリカの自由がいいという。

 Aさんは「息子は北欧に行ったこともないのに、生意気すぎる」とおかんむりだが、息子さんも「アメリカに住んだこともないのに」と同じ言葉を返すに違いない。

 私はアメリカの「自由」も、フィンランドの「平等」もいいと思っている。その中間をとってフランスあたりもがいいかな。こう考えてきて、日本という国があるのに思い至った。中国や韓国、インドなどのアジアの国々もある。

 私たちは自分の国籍や両親を選んで生まれてきたわけではない。私の場合はたまたま日本という国の、もっとも平和で豊かな時代に生まれ合わせた。そして私の両親も教育に理解があり、私に高等教育を受けるチャンスを与えてくれた。

 この恵まれた条件の中で、私もそれなりに努力をして、今日の幸福な人生を築きあげた。私は自分の人生を振り返るたびに、感謝の気持ちで一杯になる。そしてこの幸せを、自分の娘たちも享受させてやりたいものだと思っている。

 世界には貧しい上に紛争や戦争にあけくれている国もある。そうした国で生きている人は大変だ。もし生まれ変わりを信じるのなら、どの国のどの階層に生まれ変わってもよいように、世界が平和で豊かになるように努力すべきだろう。


橋本裕 |MAILHomePage

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