橋本裕の日記
DiaryINDEX|past|will
いま、この世界に「いじめ」が蔓延しています。学校で、家庭で、そして職場で、多くの子供たちや大人達がつらい思いをしています。日本は今や「いじめ社会」と言ってもよいのではないでしょうか。
私たちはどうしたらこのいじめ地獄から脱出できるのでしょうか。この問題は「いかにしたら戦争をなくせるのか」という問題とも根底で繋がっているように思えます。
いじめや暴力の被害をうけたとき、まず考えることは「逃げよう」ということです。しかし、家庭や学校、職場といった狭い世界から、なかなか逃げることが出来ません。
私も小学生のとき「いじめ」を受けて、家出というかたちで逃亡を試みましたが、みごとに失敗しました。そこで、まあ、腹をきめて、「いじめ」に立ち向かうことにしました。
強者に立ち向かうには、弱者が連帯すればいいわけです。ひとりひとりは力が弱くても、団結すれば強いのです。このことを訴え、腹を割って話せば、みんなかならず力を貸してくれます。
こうして私たちは多数派を組織してクーデターを起こしました。これは私にとってとても貴重な体験になりました。逃げ出してばかりいないで、悪には勇気を持って立ち向かうことが必要です。そうした人間が増えれば、社会もよくなると思います。
チンパンジーは2匹が喧嘩をしたとき、3匹目が弱い方に味方するそうです。そうすると強者も2匹には勝てない。こうした方法で集団の平和を守っているわけです。だから、チンパンジーの世界にはいじめが存在しないという話を新聞で読んだことがあります。
悪に立ち向かうには「団結」が一番だと思います。次女の高校でも横暴な教師がいたので、「先生はそんなくだらないことしか言えないのですか」とその教師につめより、クラス全員でその教師の授業をボイコットしたそうです。それからその先生はとてもおとなしくなったそうです。
私の高校時代にも、横暴な体育教師がいました。風邪が流行していた真冬に雪の上で上半身裸で腕立てふせなどやらされました。あるとき、級友の一人が授業中に抗議して座り込みをしました。それをみた数人が、彼の傍らに坐りました。私も何番目かに座りました。
そのとき座り込んだのは6,7人でしたが、「業後、教官室に来い」と呼びつけられました。受験を控えた3年生ですから、教師に逆らうのはいろいろと不利益があるわけですが、そのときは抗議しないではいられなかったのです。
教官室で私たちはお小言をいただきましたが、最後は先生も「おれも配慮がたらなかったところはある」と言ってくれました。そしてそれからその先生の授業の様子が変わりました。
いじめの問題も、連帯して自分たちで解決していくという姿勢が一番大切だと思います。またそのような勇気のある人間を育てることが教育の目標であってほしいと思います。長いものにまかれて、弱者いじめを傍観したり、これに荷担する人間ばかりでは、世の中はよくなりません。理不尽な権力の横暴に負けてはいけないのだと思います。
|