橋本裕の日記
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今日から9月である。日本の学校の多くは、今日から新学期だ。私の学校はすでに一週間前から始まっているが、やはり9月1日になると格別気持がひきしまる。同時に長い夏休みが終わったのだという感慨がわく。今年の夏は、セブで3週間過ごし、2泊3日の演劇部の合宿をした。福井に帰省し、妻と二人で神戸にも行った。内容の濃い夏だった。
先週の土曜日は、青春切符を使って、若狭小浜にひとり旅をした。7:44に木曽川駅を出て、大垣、米原、敦賀で乗り換えて、小浜には11:44に着いた。さっそく駅前通りを真っ直ぐ海の方に歩いた。20分も歩かないうちに海岸道路にでる。さらに10分もあるけば小浜港である。
港に面した「若狭フィッシャーマンズ・ワーフ」というところでお昼を食べた。1300円ほど出して「季節御前」を注文すると、海の幸を満載したかなり豪華な食事が出てきた。窓ぎわの席にすわり、港と海岸線にそって湾曲した小浜の町を眺めながら、ゆっくり食事をした。このひとときが幸せだった。
食事のあとは、反対側の古くからある小浜港に行った。私が小学生の頃、いつも遊びに来ていた港である。その頃の面影は半世紀近くたった今も残っている。岸壁に古い倉庫が残り、並んだ漁船の白いマストや船体に晩夏の日差しが降り注いでいた。蝉時雨の木陰に立って、しばらくその光景を眺め、短歌をつぶやいた。
ふるさとの小浜港のそよかぜに 法師蝉きくひとり旅たのし
ひとり旅に出て、風景の中に身を置きながら、無為に過ごす時間が好きだ。あわただしい日常の時間ではなく、ほんとうに何にも煩わされない自由な時間をしずかに味わっていると、心身がやわらかく解放される。これは一人旅でしかあじわえない醍醐味ではなかろうか。
夜は自転車に乗り、妻と二人で花火を見に行った。JRの線路沿いの草むらにビニールを敷き、虫の声に耳を澄ませながら、恋人同士のように肩を寄せ合って、田んぼの向こうに打ち上がる花火を眺めた。
大花火小花火あがりいつしかや 妻と肩よせ恋人のごと
一宮市の花火大会は木曽川の河原でこの時期に行われるが、尾西市との合併で、この地での花火大会は今年が最後だと聞いた。妻とこうして花火を見るのも、今年で最後かと思うと淋しくなった。
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