橋本裕の日記
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| 2006年07月18日(火) |
鬱病にならないために |
日本人の自殺率は米国の2.5倍もある。統計によると3万人をこえる日本人が毎年自殺している。毎日100人ほどもの人が自らの手で命を絶っているわけだ。そして自殺未遂はこの10倍は下らないだろうといわれている。
最近の自殺の増大は経済的原因によるものが多いらしい。しかし、人間は経済的に困窮したくらいではふつうは自殺しないものだ。貧困と言っても、世界のレベルからすれば日本の貧困はたいしたことはない。自殺にはもっと深い社会的な病理が隠されていると考えるべきだろう。
一般に自殺する人は鬱病の傾向があるという。自殺大国の日本は、じつは「鬱病大国」でもある。それではどうして人間は鬱病になるのだろうか。病理的には脳内のセロトシンが減少すれば鬱病になることがわかっている。
セロトシンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られる。このトリプトファンというアミノ酸は野菜にはほとんど含まれていない。豚肉や牛肉の赤味に多く含まれている。だから、ダイエットで野菜ばかり食べていると、セロトシンが減少して鬱病になりやすいわけだ。
もっとも、トリトファンからセロトシンが作られる過程で、さまざまな酵素が働いている。豚肉ばかり食べていればよいというわけでもない。生活習慣を改善して、体内の酵素を活性化させることも大切である。藤田紘一郎さんが「週刊現代7/29」にこう書いている。
<脳内のトリプトファンは酵素作用でセロトシンになる。その反応は、明るいところに出る、運動をする、楽しくポジティブに考える、ゆっくり呼吸をする、などといった生活習慣で促進される>
セロトシンを作るには「大声で笑う」のが一番よいらしい。それから自分に自信を持ち、人生を楽しむことだ。国際調査をすると、アメリカや中国の人々は8割が自分は他人よりも優れていると回答する。これと対照的なのは日本人で、自分が優れていると思っている人は2割しかいない。これは偏差値に重点をおく学校教育のありかたも影響しているのだろう。
ところで、日本は「抗鬱剤天国」でもある、しかし、抗鬱剤は鬱病患者の自殺衝動を強めることがある。日本で一番使われているのはパキシルだが、その使用説明書には「若年成人において、本剤投与中に自殺行動(自殺既遂、自殺企図)のリスクが高くなる可能性が報告されている」と明記されている。
抗鬱剤は覚醒剤と化学構造が似ている。つまり、一種の覚醒剤のようなものだ。これを緊急避難として服用するのはよいが、頼り切るのは問題だろう。自殺だけでなく、さまざまな犯罪行動を引き起こす可能性もある。自殺大国日本の背景に、抗鬱剤汚染という隠れた公害が広がっている。
私は朝日を浴びながら、木曽川のほとりを毎朝大声で唱歌を歌いながら散歩している。これからは大声で「わっはっは」と能天気に笑うことも日課にくわえようか。笑いものになって、人々のセロトシン合成に寄与するというのも、周りの人間を鬱病にしないためによいことかもしれない。
いずれにせよ、「笑う門」に鬱病はよりつかない。みなさん、大いに笑いましょう。そしてもっと陽気に、人生を送りましょう。ケセラセラの精神も、ときには必要である。人生の不条理を、ときにはこの爽快な心で、銀河系の果てにまで吹き飛ばしてやろうよ。
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