橋本裕の日記
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2006年07月05日(水) お金持ちお父さんの言葉

 ロバート・キヨサキの「金持ち父さん、貧乏父さん」(筑摩書房)によると、世の中には2つのルールがあるそうだ。金持ちが使っているルールと、残りの95パーセントの人が使っているもう一つのルールである。

 お金持ちでない人を、あえて貧乏人と呼ぼう。貧乏人のルールは、「学校に行って、しっかり勉強して、いい仕事につく」という、一見しごくまっとうなルールだ。しかし、このルールはいまの世界では多くの人を貧乏人にするだけだという。キヨサキさんはこう書く。

<彼らは会社の持ち主に利益をもたらすために働き、政府に税金を払うために働き、銀行にローンを返すために働き、クレジットカードでの買い物の支払いをするために働く。そして両親は子供に「一生懸命勉強していい成績をとって、安定した職業につきなさい」と言い聞かせる。こういう親たちはお金について一生学ばず、ただがむしゃらに働き続ける>

<いまの子供たちは時代遅れの教育システムの中で、将来けっして使うことのない知識を学び、もはや存在しない世界で生きるための準備をして何年もの時をむだに過ごしている。いま子供に「学校へ行っていい成績をとって安定した職業を見つけなさい」とアドバイスするのは非常に危険だ>

<すべてが急激に変化するいまの時代、私たち親は心を開き、新しい考え方、大胆な考え方をも受け入れていかなければならない。会社勤めをするよう子供を励ますことは、ろくな年金プランもないまま、自分のためよりもむしろ税金のために一生働くように勧めるのと同じことだ>

<学校ではお金について教えない。学校で教えるのは学問的知識、専門的な技術だけで「お金に関する実際的な技術」は教えない。学校で優秀な成績をとったはずの銀行員や医者、会計士たちが一生お金のことで苦労しなければならない理由の一部はここにある。国家も同じだ。国家が財政難に苦しんでいる理由の一部は、高い教育を受けたはずの政治家や政府の役人が、お金に関する訓練をまったく、あるいはほとんど受けないまま、財政上の決定を行っていることにある>

 それでは個人や国家がこうした悲惨な貧乏の「ラットレース」から抜け出すにはどうしたらよいか。キヨサキさんは「お金について学び、会計と投資に関する能力を高めること」だという。彼はこのことを「お金持ちお父さん」から学び、実践して成功を収めた。

 そこで彼の本の中から、お金持ちのお父さんのアドバイスの言葉をいくつか引用しよう。お金持ちになりたい人ばかりではなく、お金持ちがどんな考え方をしているか知りたい人にも、彼の言葉は役に立つだろう。

<金儲けの方法を教えてくれと言ったのは、きみたちがはじめてだよ。150人以上の従業員を使っているけれど、お金について私が知っていることを教えてくれと言ってきた人間はこれまで一人もいない。仕事と給料をくれとは言ってくるが、お金について教えてくれとはだれも言わないんだ。だから、ほとんどの人が人生の一番いい時間をお金のために働いて過ごす。自分がそのために働いているお金というものを本当に理解することもなくね>

<恐怖と欲望を大きくするのは無知だ。ある程度のお金を持った人の多くが、金持ちになればなるほどいっそう、それを失ったときの恐怖を強く感じるのはこのためだ。お金はニンジンなんだ。決して手に入らないまぼろしみたいなものなんだ。もし馬が自分の姿を遠くからながめることができれば、自分の置かれた立場がわかり、ニンジンを追いかけることが自分にとってためになるかどうか、考え直すかも知れない>

<お金があれば物を買うことができてしあわせになれるだろうと思いながらお金のために働き続ける、これも残酷なことだ。月末に請求書の支払いができるかどうか心配で真夜中に飛び起きるなんていうのは最悪だ。給料の額によって決められた人生なんて、本当の人生じゃない。仕事につけば安定した人生が送れるなどと考えるのは、自分自身をだましているのも同然だ>

<歴史を振りかえってみてもわかるが、偉大な文明は持てる者と持たざる者のあいだのギャップが大きくなりすぎたときに滅びている。アメリカもその道を突き進んでいるんだ。私たちは歴史から何も学ばず、「歴史は繰り返す」という言葉を自ら実証しようとしている。歴史の授業で年号や日付、人の名前ばかり覚えて、教訓を得ようとしないからこんな結果になるんだ>

 キヨサキさんが学んだお金持ちのお父さんは、「何かほしいものがあったら、まず与えなければだめだ」という考え方をしていたという。お金が足りなくなると教会や慈善事業に寄付をする。それが金持ちお父さんのやり方だった。キヨサキさんは最後の方でこう書いている。

<この本で読んだほかのことはみんな忘れたとしても、ぜったい忘れないでほしいことが一つある。それは、何かが足りないとか、何かが必要だと感じたときには、まず、それを与えることだ。そうすればあとになって、二倍にも三倍にもなって返ってくる。このことはお金、ほほえみ、愛情、友情などいろいろなことにあてはまる。

 出会った人たちが私にほほえみかけてこないと感じたときは、いつも私は自分からほほえみかけ、「ハロー」と声をかける。するとまた魔法のように、ほほえみを浮かべた人が私のまわりに突然増える。世界はあなたを映す鏡にすぎないというのは本当だ。私が「教えれば見返りがある」と言うのは、こういうわけなのだ。何かを学びたいという人に誠意を持って教えてあげるほど、あなたは多くを学ぶことができる>


橋本裕 |MAILHomePage

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