橋本裕の日記
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7月の今頃の季節になると思い出すのが「時計草」(パッションフラワー)である。これを毎年HPの表紙の写真に使っている。セルジオ越前さんによると、「パッションフラワーの葉を煎じたハーブティーは高血圧を抑える効果があるそうで、ドイツでは300年以上飲まれているようです」とのこと。この花については、2002年07月02日(火) の日記に書いた。引用しよう。
−−−−−− 時計草の思い出 −−−−−−
前に住んでいた名古屋市名東区西里町の家に、時計草が咲いていた。妻が近所のNさんの庭に咲いているのを見つけて、もらってきたものだ。蔓で伸びる植物で、名前の通り花が時計の文字盤と針のように見える。
ブラジル原産で、南アメリカを旅行中のスペインの宣教師たちが発見して、世界に広めたらしい。英名はパッション・フラワー(キリストの受難)という。雄しべの花柱がキリストで,副花冠が後光だという。がくと花弁が10人の使徒、巻きひげと葉が迫害者のむちだそうだ。これでは何だか重苦しくてかなわない。私は時計草という和名の方が好きだ。
妻は3本もらってきて差した。その中の1本が根付いて、みるまにブロックの垣を覆うほどになった。野生の植物なので、生命力が旺盛なのだろう。毎年今頃から咲き始め、8月の半ば過ぎまで次々と花を着けていた。面白い花なので、人に会うときには切り花を持っていって、自慢したものだ。
一宮市の家に移ったのは、平成2年の3月末日のことだった。引っ越しの忙しさにかまけて、時計草を持ってこなかった。私たちが十年間ほど過ごした西里町の借家は今も残っているが、時計草は新しい住人によってきれいに取り払われてしまったらしい。
時計草を貰ったNさん夫婦も今は亡き人になった。Nさんの家は私たちがよく娘を連れて出かけた公園のそばにあり、私も立ち寄って、池の鯉や庭の花々を見せて貰ったものだ。主のいなくなった家の庭では、今も時計草がひっそりと咲いているのだろうか。
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先日、昔の住処を訪れた。紫陽花はそのまま残っていたが、残念ながら「時計草」はどこにも見当たらなかった。Nさんの家も訪れたが、時計草は見当たらなかった。
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