橋本裕の日記
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少し前から、散歩道のあちこちに紫陽花が咲いている。球状のアジサイはセイヨウアジサイで、これは日本原産のガクアジサイを西洋で改良した品種だという。ウエブ百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」には、こう書かれている。
<「あじさい」の名は「藍色が集まったもの」を意味する「あづさい(集真藍)」が訛ったものと言われる。また漢字表記に用いられる「紫陽花」は、唐の詩人白居易が別の花に名付けたもので、平安時代の学者源順がこの漢字をあてはめたことから誤って広まったと言われている>
私はセイヨウアジサイも好きだが、ガクアジサイの清楚な爽やかさも好きだ。それにしてもいったいどうしてガクアジサイからセイヨウアジサイが生まれのか、その形状があまりに違うので不思議である。
紫陽花で思い出すのは、故郷・福井市の足羽山である。戦後、市民の手でここに何万株という紫陽花が植えられた。私が中学生の頃にはすでに足羽山は桜に加えて、紫陽花の名所になっていた。私も故郷にいたころは、よくこの山を散歩したものだ。
それから、大学時代、間借りしていた寺の境内や墓地に紫陽花が咲いていた。あるとき、絵心が動いて、水彩画に挑戦してみたが、あまりうまく描けなかった。自分に画才がないのを自覚させてくれたのもこの花である。
紫陽花の八重咲く如くやつ代にを いませわが背子見つつ思はむ(しのはむ)
万葉集にはこの橘諸兄の歌(巻20 4448)の他に、もう一首だけ大伴家持の歌(巻四 773)がある。平安時代になると紫陽花は貴族に好まれ、和歌にも盛んに詠まれたようだ。彼らが愛でた紫陽花は、もちろん日本古来のガクアジサイだろう。
紫陽花の花言葉は「強い愛情、一家団欒、家族の結びつき」だという。花弁があつまり、さらに花々が寄り添って咲くありさまは、仲睦まじい家庭を想わせなくもない。他に「移り気な心」という意味もある。
紫陽花に蜻蛉や蝶も雨宿り 裕
(参考サイト) http://ja.wikipedia.org/wiki/a?¢a?,a?μa??
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