橋本裕の日記
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2006年06月12日(月) 国債は借金か

 風呂上がりに居間に行くと、テレビに谷垣財務大臣が出演していて、「現在国の借金の残高は年々増えており、平成17年度末の国債残高は538兆円にのぼる………」などと、得々と話していた。

 そして、テレビはこれを映像入りで説明する。一万円札は100枚で1センチになるように作られている。そこでこれを積み上げるとどのくらいになるか。「何と5380キロメートルです。日本からハワイ行ってしまいます」とナレーションが入る。

 これをみれば、だれでも日本は凄い借金をしているのだな、個人だったら自己破産するしかない。国も破産したりするのではないかと不安になるだろう。出演者の一人がそんな質問をすると、谷垣財務大臣がすかさず。「そうです。破産した国が現にあります。そうすると、その国は管理下におかれます」と答える。

「生まれたばかりの赤ちゃんまで入れると日本の人口は1億2000万人ですから、国民1人あたり422万円、4人家族の世帯だと1700万円の借金を抱えているという深刻な状況です。国の家計簿は大赤字、このままでは活力ある経済や社会の実現に向けて大きな足かせになってしまいます」

 妻が「いったい誰がこんな借金をつくったのよ」と腹を立てていた。その責任を担うべき財務省の大臣が、手柄顔に国の借金を持ち出し、「どうです、すごいでしょう」と得意顔に話しているのがしゃくにさわるわけだ。

 こうして、日本が破産し、他の国の管理下に置かれるのがいやなら、税金をあげなければならない、年金制度や国民健康保険も変えなければならない、これはもうやむをえないことだという世論が作られいくわけだ。テレビを見ている妻まで、すっかりその手管にかかり、不安になって洗脳されそうになっている。

「大丈夫、日本は破産したりしないよ。破産した国は他の国から借金しているが、日本は国民が支えているからね。他の国や国際機関の管理下に置かれることなどありえない。そもそも国債は借金じゃないんだよ」

「日本政府の国債は借金ではない。国民の国家に対する投資である」というのが、私の持論である。こういう立場に立つと、まるでちがった状況が見えてくる。もちろん政策も変えなければならない。明日の日記で、私が妻に語ったことをもう少し書いてみよう。


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