橋本裕の日記
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「週刊文春」5/18号に、重松清さんが「18歳のホンネ」という文章を書いている。18歳の高校3年生千人にアンケート調査をして、ホンネを聞いてみたのだという。もっとも関心のある出来事としてライブドア事件、第二位に9.11事件を上げているが、その他の結果をみると、意外に慎ましく、身の回りを重視し、現実を肯定的に捉えているように見える。
たとえば、「憧れやお手本になる人は誰か」という問に対する答えは、「家族」が一番多くて、188人、ついで「先生」が72人。「先輩」が23人である。第4位が堀江貴文(14人)、第5位がイチロー(11)人だが、6位が「親戚(10人)、7位が「友人」(7人)と身内が続く。
「あなたの両親は幸せに生きているように見えますか」という問に、67.8パーセントがyesと答えている。そして、「幸せに生きていくために必要なものは何か」という問いに、次のような回答を寄せている。
<すばらしい人間関係> <何ごとも楽しめる力> <感動する心の余裕と、感動に向かって動く行動力>
さらに、「豊かさとは何か、貧しさとは何か」という問には、こう答えている。
<豊かさとは、常に笑顔でいられること。貧しさとは、他人を思いやれないこと> <心にゆとりがあるのが豊かさで、ないことが貧しさ> <一日に何か一つは嬉しいことがあれば豊か。何かに追われるように過ごしていることが貧しさ>
「幸せになるために必要なものは何か」という問に、ある少女は<いろいろな意味で「愛」が必要なんだと思う>と答えている。18歳の本音にしては、たしかに少しきれい事のように思えるが、私も18歳の時に聞かれたら、ホンネでこう答えたかも知れない。
問題は彼らがやがて世間へ出て、働き盛りの世代になり、生活に追われる中年になっても、<貧しさとは他人を思いやれないことだ>と本音で語れるかどうかだ。この初心を忘れず、感動する心と笑顔を忘れずに、魅力的な人生を歩んで行ってほしいものだ。
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