橋本裕の日記
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2006年05月09日(火) |
堅実パパのアドバイス |
大学4年生の次女が、公務員試験を受けるという。小論文を見て欲しいというので、何回か見て、批評した。娘にいろいろなアドバイスをしたが、ここにいくつか書いておこう。
「ただ独断的に自分の意見をいうのは小論文といえないよ。いくつかの意見を紹介し、それと対照する中で自分の考え方を呈示するといい。また、自分の見解を述べるにあたっては、その根拠をはっきりさせなければならない」
「大上段にものを言うのではなしに、あくまで相手に自分の主張を理解してもらおうという配慮や工夫も大切だ。抽象的な観念論ではなく、実例や自分の体験したエピソードを添えると、説得力がでてくるよ。また、客観的なデーターなども示すとよい」
「公務員は縁の下の力持ちなんだよ。人々が快適に市民生活を営み、また経済活動ができるように、地道にこれをサポートするんだ。決して主役じゃないんだ。たとえてみれば、風車の心棒みたいなものだね。目立つのは風車の美しい羽根の部分だが、それを支えているのは実は心棒なんだよ。公務員というのは社会の心棒なんだ。決して目立たない、下積みの仕事だけど、社会にとってはとても大切な仕事なんだ」
娘は何度も書き直しをして持ってきた。そのたびに内容がよくなっている。視野が広まり、考え方が見る見る深まってきた。「これまで、こんなに物を深く考えたこともなかった」という。就職試験を契機に新聞なども熱心に読むようになった。インターネットで資料を検索したりもしている。
私は娘たちに、「よい学校に入れ」とも、「よい会社に入れ」ともいわなかった。ただ、「何か得意なことをつくり、専門性を伸ばせ」と言ってきた。同じ言葉を、生徒たちにもくりかえしている。私自身は「教育」という分野でスキルを磨き、それなりの安定した収入を得て、人生を大いにエンジョイしている。
私は決して「お金持ちお父さん」ではないが、「貧乏お父さん」でもない。あえていえば、「堅実お父さん」というところだろうか。収入は大切だが、世の中には他に大切なものがたくさんある。生活に必要なお金は自分の力で稼ぎ、税金をしっかり収める。社会にもそれなりに貢献し、そのうえで余暇をたのしむ。私が理想とするのは、こうした「堅実な生き方」である。
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