橋本裕の日記
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連休最後の日曜日の昨日は、まる1日雨だった。朝食のあとしばらく雨の様子を窺っていたが、小降りになる気配はない。10時過ぎに家を出た。傘をさしていつものように木曽川まで散歩した。
雨に濡れた新緑が美しい。洞窟のような私の書斎から抜け出して外を歩いていると、魂が蘇ったような清々しさだ。散歩の楽しさは雨の日でも変わらない。道端の草むらに蝶がとまっていた。その小さな白い羽も雨に濡れている。毎日歩いている道だが、毎日新しい発見がある。何とはなし、山頭火の句を思い出した。
このみちや いくたりゆきし われはけふゆく
途中、よく肥えたカモが5羽、田んぼの中にいた。田んぼは雨のため一面の水に浸かっていて、池のようになっている。そのため普段はいないカモたちが、木曽川の方からやってきたのだろう。しばらく私の足が止まった。
隣の田んぼの中に、いそしぎの夫婦がいた。少し前まで私が近づくと、攻撃するような甲高い声をあげたのに、今は沈黙している。妻によると、ヒナがカラスに襲われて死んだのではないかという。たしかに少し前に確認したヒナの姿が、今はどこにも見当たらない。去年は二羽のヒナが若鳥になって飛び立ったが、今年は残念なことになったようだ。
木曽川堤の駅の近くの田んぼに、シラサギのシロちゃんがいた。最近まで妻が小魚をやっていたが、5月になってシロちゃんの姿がなくなり、餌をやるのをやめた。田んぼに蛙の声が聞かれるようになり、餌も豊富になったのだろう。久しぶりに見るシロちゃんは元気そうだった。これで一安心である。
その少し先に、名鉄電車の架線下のトンネルがある。そこでベートーベンの「喜びの歌」と滝廉太郎の「花」を歌った。トンネルの中はエコーがきいて、声が美しく響く。いっぱしの声楽家なったようで、歌っていて気持がよい。ここでボイス・トレーニングをするのも、毎日の日課になっている。声は教師の商売道具だから、日頃からトレーニングを怠ってはならない。
1時間近く横殴りの雨の中を散歩して帰ってくると、上着やジーパンがびしょぬれだった。さっそく着替えていると、「そろそろ、でかけますよ」という妻の声。連休最終日のお昼は、一家4人で豪勢に外食ということになった。コスモに行って、千円もする「しゃぶしゃぶランチ」である。一家そろっての外食は久しぶりだった。
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