橋本裕の日記
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2006年05月01日(月) 潮干狩の海

 昨日は、妻と私と義父で南知多へ潮干狩りに行ってきた。これまで海と言えば若狭や越前海岸だった。知多の海は久しぶりである。連休と言うこともあって、人でいっぱいだった。しかし、貝もたくさんとれた。

 妻によれば、私の成績が一番悪いらしい。たしかに私は折り畳み式のレジャー用椅子に坐ったまま、海を眺めたり、潮干狩りをする人たちを眺めている時間の方が多かった。妻の言葉によれば、「あなたはいつもぼんやり椅子に坐っていた」ということになる。

 そもそも椅子は義父のために用意したものだが、義父はとりつかれたようにアサリ取りに熱中した。妻もそうである。せっかく海に来たのだから、潮風を吸い込んで、もっとのんびりすればよいのにと思う。

 潮干狩りをしていると、いろいろな生き物が目に付く。ヤドカリやカニ、ヒトデ、それからドジョウのような小魚もいる。つい、それらを手にとって眺めていたりする。そんなわけで、私の場合はなははだ効率がわるいわけだ。

「あんたたち、すこしまじめに貝を捕りなさい。ひとり1100円も払っていいるのよ。カニなんかと遊んでいる場合じゃないでしょう。しっかりアサリをとりなさい」

  私が叱られたのかと思ってどきりとしたが、近くで、男の子が母親に叱られていた。なんともほほえましい光景である。たしかに1100円分アサリをとろうと思えばたいへんだ。しかし、これは遊びである。パチンコに行ってもこのくらいはすぐになくなってしまうだろう。

 名古屋に帰ってきて、義父に「満月」というところでおいしいお蕎麦をおごってもらった。潮干狩の入漁料、高速料金、すべて義父の支払いである。歳をとってたいへんケチになってきたと聞いていただけに、この気前の良さは意外だった。妻が言う通り、私たちと潮干狩ができて、よほど嬉しかったのだろう。

 妻の実家では、義母が一人で留守番をしていた。義母は潮干狩はきらいだという。娘時代に大病をして、毎日さしみや貝を食べた。おかげで命を救われた。それ以来、殺生をすることを極端に嫌うようになった。潮干狩など論外ということらしい。この気持、私には少しわかる。

 おもしろうてやがて淋しき貝拾い  裕


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