橋本裕の日記
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2006年04月20日(木) 鳥たちのいる散歩道

 昨日から妻が4泊5日で台湾に遊びに出かけている。しばらくは独身気分である。と、言っても、とくに私の日常が変化するわけではない。同じ時間に起きて、この日記を書いた後は、朝食にトーストを焼き、NHKの朝の連続ドラマを見てから散歩にでかける。

 違うことといえば、散歩の時、鳥の餌を持って出ることだ。まず木曽川の河原に行って、トビに「かしわの皮」をやる。私が餌を水辺の浅いところにそれを投げ入れると、近くの鉄柱で餌を待っていたトビがやがてやってきた。

 このトビは翼の羽が傷んでいる。妻の話によると、カラスたちに襲われたのではないかという。昨日も私がトビに餌をやっていると、カラスたちがやってきた。そしてトビから餌を奪っていく。このあたりはカラスの天下だ。

 妻はこのトビがあわれで、いつもここ河原に来て餌をやっている。妻が旅行中は私がその代役をしなければならない。散歩は手ぶらが一番良いのだが、妻が大切にしているトビなので、餌をやらないわけにはいかない。

 トビに餌をやったあと、木曽川を後にして、用水路に沿った道を歩く。そこに少し前まで数十匹の鯉がいた。産卵のために登ってきたらしい。体長が40センチ以上ある大きな鯉である。ただし、近所の人の話によると、この鯉は食ってもうまくないらしい。この数日、鯉の数は減った。水嵩が少なくなると、酸欠になって大量死することになる。何となくあわれな鯉たちだ。

 用水の所々に鳥がいて、餌を待っている。まず目に付くのが、少し小さめのシラサギで、私たちはこのシラサギを「シロちゃん」と呼んでいる。用水にカナダ産のワカサギを投げ入れてやると、シロちゃんはそれを取りに用水に飛び込む。そのシロちゃんの近くに、カモが二羽いて、彼らもそのおこぼれにあずかる。

 さらに用水を下っていくと、また別のシラサギがじっと餌を待っている。このシラサギは名前がないが、シロちゃんよりは大きめで、引っ込み思案のシロちゃんにくらべると、あまり人をおそれない。妻のことを覚えていて、田んぼでみかけると、「ガァ」と声を上げて寄ってきたりするのだという。妻は嘴の色でこのシラサギがわかるらしい。

 さらに用水を下っていくと、橋の下に大きな五位鷺が一羽いる。そこで、残しておいたワカサギを用水の中にすべて落としてやる。五位鷺は用心深いので橋の下から出てこない。じっと待ちかまえていて、自分の近くに流れ着いた餌を素早く次々と呑み込む。

 その様子を見届けてから、私は用水を離れ、帰路につく。家を出てから1時間近くかかっている。妻は毎日これをやっているが、私にはこんな面倒なことはとてもできない。そもそも私は、魚の生臭い匂いが苦手である。しかし、妻の旅行中は、シロちゃんたちのためにがんばるしかない。

 それにしても、昨年愛犬のリリオとウズラのハルちゃんが死んで、扶養家族が少なくなったと思っていたら、またいつの間にか増えている。これ以上ふえると、なにかと大変である。彼らのための毎日の食費もばかにならない。


橋本裕 |MAILHomePage

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