橋本裕の日記
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2006年04月14日(金) 格差の実態

 ビル・トッテンさんがインターネットコラム「温故知新」4/13の中で、「格差社会に変ぼうする日本」と題して、小泉構造改革によって生まれた格差社会を憂えている。少し引用してみよう。

<小泉自民党政府が「改革」という響きのよい言葉を多用して進めている規制緩和と民営化によって、長い時間と税金を使って国民のために作られてきた社会基盤が少しずつ切り崩され、そのサービスを失う者、それによって利益を手にする者と、まさに小泉首相の目指す格差社会に日本は変ぼうしつつある。

 改革という言葉だけを聞くと、現状に満足している一部の既得権益者の持てる権利を、大多数の何も持たない人々の手に移すような印象を与える。しかし実際は、すでに権力とお金を持っている一部の人々の手に、さらにより多くの富を集める仕組みだということは、日本に先んじて民営化や規制緩和が行われてきた国の状況を見れば明白である>

 http://www.nnn.co.jp/dainichi/column/tisin/tisin0604.html#13

 小泉首相にほんとうの愛国心があれば、この国を住み良い平和で豊かな国にしようと考えるはずだ。靖国神社に参拝するのが愛国心だとしたら、これはとんでもない思い違いだ。これについては、昨日の日記に書いたとおりである。

 さて、昨日、妻とランチを食べに入った喫茶店で、週刊ポスト4/21号の「日本全国47都道府県格差の実態ランキング」という記事を読んだ。メモ魔の私が、これを見逃すはずはない。メモに基づいて、格差ランキングを一部紹介しよう。

 まずは有効求人倍率の格差ランキングである。愛知県に住んでいると、企業はどこも人手不足で、景気は回復しているように思えるが、その実態はどうか。

 1.愛知県 1.72
 2.群馬県 1.62
 3.東京都 1.61
 4.福井県 1.43
 5.三重県 1.43
  ・・・・・・・・・・・・・
 47.沖縄県 0.45

 統計を見ると、沖縄や青森、山形などは0.5に満たなくて、愛知県の1/3である。これは大変な格差だといわなければならない。こうした県では当然県民の所得も低く、貯蓄も少ないだろう。そこで、貯金額の県別ランキングを見てみよう。

 1.奈良県 1984万円
 2.香川県 1828万円
 3.三重県 1772万円
 4.福井県 1762万円
 5.東京都 1729万円
  ・・・・・・・・・・・・・・
 47.沖縄県  450万円

 貯蓄額の格差は奈良県と沖縄では実に4倍以上である。とてもこれは同じ日本だとは思えない。もっとも、これは貯蓄額の平均である。その地域の中でも格差が拡がっている。その実態を見るには、たとえば就学援助率を見ればよい。援助率の低い順にランキングを書いてみよう。

 1.静岡県 4.06パーセント
 2.山形県 4.78パーセント
 3.栃木県 4.92パーセント
 4.茨木県 5.11パーセント
 5.福井県 5.37パーセント
  ・・・・・・・・・・・・・・・
 47.大阪府 27.87パーセント

 これでみると、大阪府で就学援助を受けている割合は児童4人に一人以上であり、これは静岡県の6倍以上の高率だということがわかる。それだけ、大阪や東京のような都会では低所得者の割合が大きいということだ。これだけ所得格差が広がると、犯罪も多くなるのではないか。

 そこで、次に凶悪犯罪の発生率を見てみよう。人口1万人あたりの凶悪犯罪発生率が0.8と低いのは、島根県、福井県、徳島県、秋田県、山形県、鹿児島県である。これにたいして、最も発生率が高いのが大阪府で、これが2.8もある。大阪は島根や福井に比べて、4倍も治安が悪いわけだ。

 格差ランキングを見ていて気がついたことがある。私の故郷である福井県がいずれもランキングの優良トップグループに君臨していることだ。もし「暮らしやすさ総合ランキング」のようなものがあれば、福井県がまちがいなく全国一に選ばれるのではないだろうか。ついお国自慢をしてみたくなるが、福井県に原発が多いことは遺憾なことである。


橋本裕 |MAILHomePage

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