橋本裕の日記
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2006年04月11日(火) 競争から共創へ

 去年の暮れの12月28日、「New Wave」という雑誌の編集をしているFさんから、突然、メールをもらった。ちなみにこの雑誌は全日本電設資材卸業協同組合連合会の会報誌で、毎月2720部を発行し、北海道から沖縄までの47都道府県の会員企業と関係メーカーが購読しているのだという。メールは執筆依頼だった。

<テーマを「棲み分け」もしくは「共生」と決め、ネット上でいろいろと検索をしました。そこで、先生の「共生論入門」を見つけ、面白く読ませていただきました。私どもの会員企業は同業者同士ですから競合する関係にあります。そこで、このような理論を知って貰いたいと思った次第です>

 「共生論入門」について12000文字前後、ホームページに載せている文章を編集したもので結構だというので、ありがたくお受けすることにした。執筆料も5万円くれるという。おもわぬお年玉をもらったような気分だった。

 お金はともかく、私の持論である「共生論」を一人でも多くの人に読んでもらえるのはうれしいことである。業界の会報誌だから企業の経営者の目にもとまるだろう。私の文章が今後の企業経営の参考になれば、ありがたいことである。

 こうして私の「豊かな共生社会をめざして」という文章が「New Wave」の3月号に掲載された。2月の末に送られてきた雑誌を見ると、巻頭近くに私の文章が12ページに渡って掲載されていた。そして「競争から共創への脱却」とサブタイトルが付けられている。これは編集者のFさんが考案してくれたもので、さすが専門家だけあって、「共創」という言葉が光っている。その文章はHPでも読むことができる。

http://hasimotohp.hp.infoseek.co.jp/kyouseisyakai.htm

 HPに文章を書いていると、いろいろな人からメールをもらう。その多くは「共生」という思想への共感である。私も適度な競争は必要だと思うが、そのためには社会に共生という基盤がなければならない。文明や文化というものは、本来こうした共生という大地の基盤の上に建設されるものである。こうした「共生哲学」を日本の経済学者や政治家、官僚にも大いに学んで欲しい。

 先日MLのオフ会でお会いした岡本三夫さんは、大学ではじめて「平和学」という講座を開いた人である。現在「平和学」の講座は日本の大学に40ほどあるという。そして彼が会長を務めた「日本平和学会」には、現在800人以上の研究者が入会し、春秋二回の研究大会で活発な討論を繰り広げているという。

 「平和学」とならんで、「共生学」もまた日本の大学で教えられるようになるといいと思う。日本共生学会ができて、そこに何百、何千という生物学者や教育学者、経済学者、政治学者たちが集うようになったら素晴らしいことではないだろうか。


橋本裕 |MAILHomePage

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