橋本裕の日記
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2006年04月10日(月) 共生原理に基づく政治

 昨日は青春18切符で、ML「no more war」のオフ会に出席するために、長浜まで行ってきた。踏切事故などでダイヤが乱れて集合時間に30分以上遅れたが、主宰者の西羽さんが駅の改札口で待っていて、会場のロイヤルホテルまでタクシーで送ってくださった。

 出席者は私を含め12人だった。一番の年長者はシベリアに3年半ほど抑留されていた大正7年生まれの木村さんである。心臓で20日間ほど入院していらしたが、ご家族の反対を押し切ってこの会に参加してくださった。

 この会をお世話してくださった元校長先生の垣見さんもかなりの年輩だが、まだまだお元気で、海軍での実体験をいろいろ話してくださった。断末魔の部下が目の前で「おかあさん」と口にしながら息を引きとるのを何人も見たという。こうした話は本で読んでいたが、体験した人からじかに聞くととても心に響くものだ。

 海軍では英語が飛び交っていたというのも、意外なことだった。男ばかりの世界だから、軍港に帰ってきて岸壁に女性の姿を見ると、「ウがいる、ウがいる」と大騒ぎになったという。「ウ」というのは、「ウーマン」で女性の隠語だったらしい。

 男女共学ではないので、女性と交際する機会はほとんどなく、「愛する女性のために死ぬ」などということは映画の中だけの話ではないかということだった。そんなセリフが吐けるのは「不良青年」だけではないかという声があちこちからあがった。中でも長岡さんのうぶな体験談が面白かった。

 私の隣の席には「平和学」の泰斗でいられる岡本さん夫妻が坐っておられ、「平和の反対は戦争ではない。暴力だ」という「平和学」の基本からはじまって、戦争と経済の問題などいろいろと啓発的なお話を聞くことができた。会食をしながら、二時間あまり楽しく過ごした。

 オフ会の後、桜見物をかねて駅の方までゆっくり歩いた。残念ながら桜はまだ2分咲きである。その桜を眺め、戦争と平和についていろいろと考えた。小泉内閣になって、靖国参拝をめぐり近隣諸国との関係がギクシャクしている。

 あたらしく民主党の代表になった小沢さんは、NHKなどのテレビ番組に出演して、小泉首相の靖国神社参拝を批判し、A級戦犯の分祀(ぶんし)を求める意見を述べている。

<戦争を主導した大きな責任がある人たちは、靖国神社に本来祭られるべきではない。たまたま神社の形を取っているが、戦没者の慰霊のためのものだ。戦争で亡くなった人のみ霊を祭る本来の姿に戻して、天皇も首相も堂々と行ける靖国神社にすればいい>

http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/seiji/20060409/
20060409a1790.html

 小沢さんのこの姿勢を評価したい。小沢さんは先日行われた代表選でも、こんな演説をしている。

<日本は今、でたらめな小泉政治の結果、屋台骨が崩れ、迷走を続けています。それを立て直すには、明確な理念と設計図が不可欠であります。

 その理念は、共生、共に生きるということであります。人間と人間との共生が平和の問題であり、人間と自然との共生が環境の問題であり、その両面で日本が世界のリーダー役を果たしていかなければならないと考えております。

 市場万能主義が世界全体を覆って、ともすれば地球環境や人の命よりもお金や利益が優先されがちな昨今の日本社会や世界の中で、私たち日本人は千年以上前から、共生の知恵として、「和」の文化を築いてまいりました。

 それだけに私は、共生の理念と政策を世界に発信できる能力と資格が、日本人には十分にあると考えております。特に人間と人間との共生、いわゆる平和の問題について言えば、日本国憲法の理念に基づいて国連を中心とする安全保障の原則を確立するとともに、日米関係を基軸にしながらも、中国・韓国をはじめとする近隣諸国との関係を改善して、アジア外交を強化しなければならないと思います>

http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/dpj-col00102.html

 小泉政権のもとで、何かと競争原理がのさばる世の中になった。しかし、競争原理だけでは人間はやっていけない。政治に大切なのはむしろこれに対抗する「共生原理」だというのが、私の一貫した持論だが、野党第一党の党首がこうした認識を公にしたことはとてもうれしいことだ。小沢民主党に期待したいと思う。


橋本裕 |MAILHomePage

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