橋本裕の日記
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最近、午前中に学校に出勤するようになって、朝の散歩ができなかった。昨日も二次の入学試験があり、午前中出勤だったが、その前に時間をつくって散歩に出かけた。木曽川の桜を見たかったからだ。
木曽川の堤は3月まで堤防拡張工事をしており、その関係で堤防の上を自由に散歩できなかったのだが、それも終わり、新たに舗装された道路に車が走っていた。道は拡張されたものの、歩道はなく、車の量がふえて、散歩にはありがたくない環境の変化である。
それよりも私が淋しく思ったのは、拡張工事のために堤防や河原の樹木が大量に切られたことだ。堤防沿いの桜並木もかなり切られている。たとえば今月のHPの表紙に使ってある私の好きな桜の木も切られてしまった。昨日は散歩しながら、このことに気付いてがっかりした。
さいわい、一部の桜並木は生き残っていたので、しばしその前にたたずみ、「お前たちは難をのがれてよかったね」と語りかけた。おりしも風が吹いてきて、桜の花々がゆれうごいた。なんだか私のつぶやきに答えてくれたようだった。
少なくなったのは樹木だけではない。そこを塒にしていた鳥たちもめっきり今年は姿を見なくなった。シラサギもメジロもトビもことしは激減している。堤防ばかりでなく、河原の木も切られて、鳥たちは住処を奪われたようだ。
私の家の庭に琵琶の木があるが、毎年そこにたくさんの鳥がきていた。しかし今年はメジロもウグイスもこなかった。かわりにカラスの姿ばかりが目に付くようになった。堤防を散歩していると、上空でトビがカラスの群におそわれている。
田んぼでは私の好きなイソシギの巣がカラスに狙われていた。去年は3羽のヒナが孵り、2羽の若鳥が巣立った田んぼだったが、今年は絶望的な状況だ。いずれイソシギの姿も消えるのだろう。彼らの姿を眺めるのが散歩の大きな楽しみだったのに。
鳥の姿が激減したのは堤防工事の影響に違いない。道や河原が綺麗に整備され、見晴らしはよくなったが、その分豊かな自然の息吹が失われた。鳥たちの歌声の聞こえない散歩道はつまらない。一体何のためにこんな愚かなことをするのだろう。
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