橋本裕の日記
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今年はコロンブス(?〜1506)の没後500年だという。彼は地球が丸いことを信じ、スペインのイサベル女王の支援のもと、1492年の夏から翌年の春にかけて、3隻の舟で航海に乗りだし、現サンサルバドル島に上陸し、キューバ、エスパニョラ島を経てポルトガルに帰国した。
93年の秋からは植民を目的に17隻、1500人の大船団でエスパニョラ島に乗り込み、キューバ南岸からジャマイカまで勢力を拡大した。さらにその後も、2度に渡り植民のための航海をし、ベネズエラや南米にも赴いた。本人は死ぬまでアジアに到達したのだと信じていたようだ。
コロンブスは北イタリアのジェノバ生まれだというのが通説だが、実際はその出自はよくわからないらしい。昨日の朝日新聞の記事「コロンブスの出自に迫る」のなかで、バルセロナ自治大学のエルナンデス教授はこう述べている。
<史料ではジェノバ説が優勢だが、本人が出自を隠そうとした形跡がある。死後には航海日誌が改竄されたり、偏見に満ちた伝記が出たりし、人物像が定まらない一因になった。その評価も時代背景により、栄光の冒険家から、植民の先兵まで振幅が大きい>
スペイン国立グラナダ大学の遺伝鑑定研究所が、このコロンブス出自の謎に迫るべく、彼のDNAを分析している。コロンブスはスペイン北部で病死し、南セビリアの大聖堂に埋葬された。同じ聖堂に彼の息子も埋葬されているので、彼らの骨から染色体を取りだし、Y染色体を分析することで、彼らが親子であることを確認した上、これをコロンブスのY染色体として同定したのだという。
さらに研究所は、バルセロナ、バレンシア、マジョルカ島、南仏ペルピニャン、ジェノバなど、地中海西部でコロンブスの姓をもつ男性のY染色体をあつめた。すでに500人以上の協力者が得られているという。
DNAの分析結果が発表されるのは5月末だという。結果によっては、コロンブスがジェノバ生まれだという通説が覆るかも知れない。なぜコロンブスが自分の出自を隠そうとしたのか、その謎も解いてほしいものだ。
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