橋本裕の日記
DiaryINDEX|past|will
| 2006年03月10日(金) |
シラサギのいる散歩道 |
ようやく朝の寒さもゆるんできて、散歩に気持ちのよい季節になった。私は雨の日も雪の日も毎日散歩にでかけるが、できることならうららかな日差しの中を歩くほうがたのしい。心がのびのびとして、自然に歌声が口をでる。よく唱うのがベートベンの「歓喜の歌」である。
晴れたる青空 ただよう雲よ 小鳥はうたえり 林に森に 心はほがらか 喜びみちて 見交わすわれらの 喜びの歌
木曽川の橋の真ん中で、これを大声で唱うと気持がよい。遠く雪を頂いた御嶽山がある。まさに気宇壮大な気分だ。どんなに大声を出しても、橋の上だから迷惑にならない。木曽川に浮かんでいる無数のカモたちが迷惑そうなそぶりをするくらいだ。
妻も毎日散歩している。私たち夫婦は原則は個人行動である。自分のペースで好きなように散歩をする。しかしときには一緒に出かける。私が妻にあわせて、あとをついていく。
妻は毎日小魚を持って散歩に出る。用水の流れる田んぼでシラサギが一羽妻を待っている。その用水に妻が小魚を流すと、シラサギは流れてきた小魚を捕りに用水に飛び込む。そのようすがほほえましい。
私たちはこのシラサギのことを「しろちゃん」と呼んでいる。シロちゃんの好物はワカサギである。どうりで、私の家の食卓に毎日にようにワカサギの天麩羅が出てくるわけだ。シロちゃんのあまりを、私たち夫婦が食べているのである。シロちゃんは必ず妻を待っているので、妻も毎日魚を持って家を出る。
もとはこのシロちゃん、つがいだったらしい。ところが相手の一羽が突然いなくなった。近くの田んぼでシラサギが死んでいるのが見つかったので、それがシロちゃんのつれあいかもしれない。死んだ原因はよくわらないが、餌不足による餓死も考えられる。
妻がシロちゃんに毎日餌をやるようになったのはそのころからである。シロちゃんの近くにカラスのクロちゃんたちが集まってくる。クロちゃんたちは水が怖いので、シロちゃんのように用水に飛び込めない。だから、シロちゃんがとった餌を横から奪おうとする。
最近はカラスばかり増えて、シラサギの姿がめっきり減ってきた。シロちゃん、がんばれと思わず声援をおくりたくなる。わが家から愛犬リリオがいなくなり、うずらのハルちゃんもいなくなって淋しくなったが、いつのまにかまた扶養家族が一羽ふえた。
|