橋本裕の日記
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最近の橋本日記は経済や政治の話題が多くなってしまったが、もちろん私は経済や政治の専門家ではないし、経済や政治がとくべつ好きだというわけではない。ただ選挙権をもつ市民として、政治や経済にしっかりした知見をもち、発言したいと思っている。
イギリスの小学校では、「何のために勉強するのか」という問をしょっちゅう子供たちに投げかけるそうだ。そしてその答えは、「有能な有権者になるため」だそうである。いいかえれば、ずるがしこい権力者に「騙されないため」である。
そのために必要なのは、自分の頭でしっかり考え、自分で情報を分析し、意見を述べることができなければならない。こうしした訓練を子どもの頃から学校で受け、ひとりひとりが自立した市民として生活できなければ、民主主義は衆愚政治に堕落するしかないわけだ。そうした自戒も込めて、この日記ではかなり政治や経済問題をとりあげてきた。
しかし、経済や政治についてばかりではなく、教育や文化の問題についてもこれからはもっと多く発言したいと思っている。「映画100選」をはやく仕上げ、小説も書いてみたいと考えている。
ほかにも書きたいことがやまほどある。しかし50歳を過ぎたらやはり自分が本当に好きなことをしたほうがよい。そこで、「自分が好きなことは何か」と自問してみた。およそ4つの答えが浮かんだ。
(1)自然 (2)人間 (3)学問 (4)自分(孤独)
私は自然が好きだ。山や川、海が好きだ。そして人間も好きである。家族や友人、生徒たちとの人間的なふれあいは得難いものだ。青春切符の旅が好きなのも、自然に出会い、人々の暮らしに出会えるからだ。
そして何と言っても好きなことは勉強することである。新しい知識や技術を身につけると、ものの考えが深まり、世界が拡がる。歳をとるにしたがって、学ぶことの楽しみはますます大きくなり、魅力的になってきた。
私がHPを大切にしているのも、これが私の「学びのベースキャンプ」だからだ。日記は私の知の最前線であり、「何でも研究室」はその学習レポートである。そして掲示板では学びを大切にする人々とその心を分かち合い、交流することができる。
しかし、なかでも私の好きなのが「ひとり」ということだ。青春切符の旅も、私はほとんど一人で出かけ、自分と向かい合う。この静寂の時間が好きだ。孤独を好きなことの4番目に上げたが、これはこの順番に好きだということではない。
この順位は時々によって入れ替わる。しかし、実のところ、何が一番好きだと訊かれたら、私はやはり「ひとりでいること」とこたえるかもしれない。ひとりでいると、自然がささやきかけてくる。そしてときとして、道で擦れちがった見ず知らずの老婆の笑顔がなみだがでるほど有り難く感じられたりするものだ。
世の中にまじはらぬとにはあらねども ひとりあそびぞ吾は楽しき (良寛)
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