橋本裕の日記
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12.思わぬ入院
新聞配達から解放されて、私は午前中は境内の草取りをした後、午後は寺の庫裡で畳の上に体を転がしてぼんやりしていた。
夜は近くのスーパーで豚肉と野菜を買い、中華鍋で野菜炒めを作ったが、食欲が感じられなかった。夕食の後、風呂に出かけて、体の異変に気付いた。手足が赤く腫れてむずがゆかった。草取りでかぶれたのだろうか。疲れていたところに、脂っこいものを食べたのもいけなかったようだ。
夜中になって症状が悪化した。水疱が顔や下腹部の辺りに広がり、三十九度近い熱も出てきた。私は翌朝一番で近所の病院に駆け込んだ。医者は私を見るなり顔を顰めて、すぐに入院するように言った。
私は看護婦に薬を塗られて、ミイラのように包帯で巻かれた。膿んで腫れ上がった陰部に薬を塗られるのを恥ずかしがっている場合ではなかった。 それでも一週間ほどすると包帯もとれた。冷房が利いていて蒸し暑さを感じることはなく、三食付きで読書もできた。しかし、何を読む気力もわかなかった。
退院して専売所に行くと、芳子が店番をしていた。芳子は私が入院中に寺に草とりの手伝いにきたようだった。しかし、私がいないので福井に帰省したと思っていた。 その夏は福井に帰省しなかった。留年した負い目もあって、両親と顔を合わせるのが億劫だった。
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