橋本裕の日記
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2003年05月07日(水) 公園のベンチ

 連休中に父と祖母の13回忌で福井に帰省して、翌朝、実家の近くの公園に家族で散歩に行った。朝はやかったせいで、人気もほとんどなく、しずかだった。白、赤、ピンクのツツジやサツキが満開で、ほかに花菖蒲や小手鞠などが咲いていた。

 古ぼけた公園の木製のベンチに腰を下した。父もまたこのベンチに腰を下ろして孫を遊ばせたり、好きなカップ酒を家族に隠れて飲んでいたのだろう。そう思うと、古いベンチがいっそう身近に感じられ、父も眺めたであろう公園の木々が生き生きと迫ってきた。

 実家から歩いて5分のところにあるこの小さな公園にはいろいろな思い出がたくさん詰まっている。夏休みにはこの公園でラジオ体操をし、夜には野外映画を見たものだ。そして盆踊りや相撲大会、運動会もあった。おさななじみのT子と毎日ブランコを乗りに来たのも、初めて買ってもらった自転車の練習をしたり、そして学校帰りに好きな少女と初めてデートをしたのもこの公園だった。

 私が幼い頃は、まだ空の空気が澄んでいて、夜の闇も深かったせいか、この公園に来ると一面の星空で、天の川の姿も眺められた。おそらく若い頃の父と母が星を眺めて未来を契り会ったのもこの公園かも知れない。古ぼけたベンチに坐っていると、さまざまな想像が浮かんできた。

  公園の古木のベンチなつかしく
  亡父眺めし樹や花を見る    裕


橋本裕 |MAILHomePage

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