橋本裕の日記
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48.プールサイド小景 終業式の日以来、5日ぶりに学校へ行った。この間、私は敦賀にお見合いに行ったり、自動車学校に入校したりといろいろあった。テニス部の活動は、雨の日や土日が続いたのでお休みだった。月曜日に私は久しぶりにテニスコートでラケットを握り、午後からは学校のプールで汗を流した。
7月中は午後の3時間だけプールを解放していたが、生徒はほとんどいなかった。水泳部の生徒らしいのが、3人ほどきれいなクロールで泳いでいるくらいだ。監視台に乗っていた体育科の教師が、「橋本先生、ちょっとだけ交代して下さい」と言い残して消えた後、私は監視台に登った。
30分ほどして、ようやく監視員の教師が帰ってきた。照りつける日差しにあぶられて真っ赤になっている私を見ると、 「因幡の白兎のようですね」 「肌が白いタチだものだから、大変です」 梅雨が明けたような快晴が頭上に広がっていた。監視台から降りて、水の中に体を浸していると、テニス部の生徒たちが水着でやってきた。
彼女たちはプールサイドで準備運動をしながら、私の方に、 「先生、いつから水泳部になったのですか」 「体力をつけようと思ってね。君たちこそ、水泳部にくらがえかな」 「私たちも体力をつけるためです」 「これから午後は水泳がいいわよね」 「テニスと水泳なんて、健康的よね」
彼女たちが身につけているのは、体育の授業で着る濃紺の地味な水着だったが、体をそらしたり開脚したりするたびに胸や下腹部のかたちがあらわになった。薄い布の下に息づいているものの生々しさが迫ってきそうで、私は水の中に頭を沈めた。 「わあ、冷たい」 プールサイドを見ると、彼女たちが爪先を水に入れて騒いでいた。
少女達の太腿を濡らした水面が、水着にまで届こうとしていた。私は少女たちの女の部分を包んだ水着の膨らみが水にふれるのを眺めていた。少女達がすっかり水に入ってから、私は彼女たちから逃れるようにプールサイドに上がり、更衣室の方に歩いた。
副部長の少女が一人だけ遅れて、水着姿でやって来た。彼女は水着の胸をバスタオルでかくしながら素早くすれ違った後で振り返って、 「泳ぎを教えていただこうと思ったのに」 「なんだ、泳げないの」 「ええ、ちっとも」 笑顔を見せると、プールサイドの光の方に駈けていった。
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