橋本裕の日記
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ブッシュ大統領が通告した時刻は、今日の10時である。これまでにフセインが亡命しないならば、その後、いつでも攻撃を開始するという。戦争を回避する唯一の道はもはやフセインの亡命しかなくなった。
私もふくめて平和を望む世界中の多くの人々がフセインの亡命を祈るような気持で願っているのではないだろうか。アメリカはたとえフセインが亡命してもバクダッドを占領し、武装解除を行うと言っている。しかし、この場合はイラク軍の組織的な抵抗はないだろうから、大規模な軍事衝突は避けられる。今となっては、これが最良のシナリオというところだろう。
しかし、アメリカや世界の人々がフセインの亡命を求めるのは、本筋から言っておかしなことである。一体どういう権限があって、一国の元首にこういう要求を突きつけることができるのだろう。独裁者フセインを打倒しなければイラク国民は幸せになれないと言うが、それはアメリカやこれに追随する国の一部の人々がそう考えているだけで、イラク国民がそう考えているかどうかはわからない。
イラクが民主的でないというのなら、アメリカの友好国クエートやサウジアラビアはどうであろうか。両国とも国王が支配する国で、サウジアラビアに至っては国会もなければ、民主的な選挙制度さえない。国王の一族によって石油の利権が握られ、政治的にも経済的にも自由は大きく制限されている。おまけに宗教の自由もなく、イスラム原理主義が支配する国である。しかもアルカイダなどのテロ組織に資金援助をしていた実績まである。こうした国々から比べれば、イラクははるかに民主的だといえないだろうか。
そもそも今度のアメリカの軍事侵攻に大義はない。テロ支援国家だというが、その証拠もないし、そもそもバース党はイスラム原理主義に対抗する政党としてアメリカや旧ソ連によって育てられてきた歴史がある。金日成の独裁体制を作ったのが旧ソ連や中国だとしたら、フセインの独裁体制を作り上げたのはアメリカである。その力が強くなり、自分の意に従わないと言って、武力を使ってこれを潰そうとするアメリカこそ、恐るべき独裁国家といわなければならない。
私は戦争回避のために、フセインの亡命を望むが、こうした要求をするアメリカの独善的な姿勢には危惧を覚える。世界の将来にとって、本当に脅威なのはイラクだろうか。私には今や名実ともに地球の覇権国家となったアメリカのこの好戦的で居丈高な姿勢の方がはるかに問題があり、恐るべきものだと考えている。
<今日の一句> 残雪の 山のはるかに 心澄む 裕
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