橋本裕の日記
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昨日の元旦は、うららかな春のような一日だった。そこでお昼頃、家族4人と愛犬一匹で、名古屋市の庄内川に遊びに行った。途中、アピタに寄って、鳥の餌にする食パンを買った。河川敷に着くと、さっそく妻がパンをちぎって空中に投げはじめた。
しばらくして、白いカモメの群が集まってきた。二人の娘が加勢すると、カモメの数はさらに増えて、空中で餌を奪い合い、けたたましい鳴き声があたりにこだました。私はデジカメを構え、何枚も写真を取った。
鳩や鴨なども集まってきたが、カモメの勢いに恐れを為したのか、少し遠慮している。カラスでさえ、近づくとカモメに逐われていた。このカモメ、なかなか気が強い。帰ってから辞書で調べると、ユリカモメだった。別名を都鳥という。
名にし負はばいざこと問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと (都鳥という名を持っているお前に問いかけよう。都に住む私の大切な人は達者でいるのか、もうすでにこの世にいないのかと)
都落ちして隅田川までやってきた在原業平が、望郷の思いに駆られて問いかけたのがこのユリカモメだった。由緒のある鳥なわけだ。それにしても、白い翼が空中に乱舞する姿はなかなかの迫力だった。
妻たちはもう3年も前から毎年正月になるとここにやってきて、これを年中行事として楽しんでいるらしいが、私ははじめての参加だった。怖いので少し離れたところからカメラを構えていると、「だめよ、もっと近くから」と注文を付けられた。
ユリカモメと遊んだあとは、凧揚げである。カイトと奴凧を家から持ってきたが、これも3年前から続いているわが家の年中行事である。カイトの方は空高く舞い上がったが、奴凧はなかなか上がらない。去年も、一昨年もこの凧を持ってきたが、一度も上がらなかったという。
凧揚げは子供の頃得意だったので、ここは父親の権威回復のチャンスとばかり、細長い紙の足をつけるなどの工夫をほどこして、張り切って糸を引いた。しかし思うように上がらない。一旦上がっても、すぐに落ちてしまう。やりなおしているうちに、奴の頭のところが痛んできた。「奴さんがかわいそうじゃないの」という妻と娘の非難の声で、私もしぶしぶあきらめた。
家に帰ってから、デジカメの写真をみんなで見た。奴凧の勇姿は撮れなかったが、初春のめでたい空にユリカモメの乱舞する姿はそれなりに撮れていた。いずれHPの表紙で、この写真を紹介しようと思っている。
なお、万葉集にも鴎は登場する。おめでたい歌なので、引いておこう。ここで歌われている鴎もユリカモメではないかと思われる。
大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ うまし国ぞ 蜻蛉島 大和の国は (巻1−2 舒明天皇)
<今日の一句> 初春の めでたき空に ゆりかもめ 裕
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