橋本裕の日記
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28.女体 人間の性フェロモンは、腋や性器、乳首などのアポクリン腺から分泌される。フランスの娼婦は膣液を耳の裏に塗って男を誘惑するらしい。私がその気になったのも、S子の体から匂ってきた性ホルモンのせいかもしれない。 「今日はだめよ。私、体が汚れているの・・・」 S子が抵抗するので、よけい私は刺激されていた。
いつもは二人で風呂に入り、入念に体を洗っていた。ベッドの中でS子の白い肌はいつも清潔な石鹸の匂いがしていたのだが、今日は違っていた。ベッドに仰向けに寝かせてブラウスをはぎ取り、ブラジャーを外すと、乳房は汗ばみ、鳩尾に汗の玉が光っていた。乳首や腋に鼻を近づけると、そこが匂った。
腋と下腹部に毛を生やしているのは、恥ずかしいからそこを隠しているわけではなく、腋と性器から放出されるフェロモンを脇毛や陰毛に付着させるためらしい。そうすると匂いが長く籠もり、異性を有効に誘惑することができる。だから行為の前にシャワーを浴びたり、石鹸で洗い落とすのは逆効果なわけだ。
私は本で読んで知っていたが、S子の生々しい体臭をかいで、その内容がそのとおりだと実感した。私はいつになく興奮して、彼女のスカートのベルトを解いた。スカートを脱がせると、むっとした温気とともに、刺激的な体臭が匂ってきた。
汗ばんだショーツがすこし横にずれて、下腹部の隠微な部分を見せていた。S子が手を伸ばして、私の手首を掴んだ。 「今日は駄目なの。生理なのよ。膣の中に入れてあるの」 「だったら、出してやるよ」 「だめよ、そんなこと」 私は彼女の手を振り払い、下着を剥いだ。
顔を近づけてS子の両股を押し広げると、ふっくらした茂みの丘の裾に、紅い唇がわずかに開いて肉色をした内部を見せていた。そこから彼女の会陰部に垂れている糸をたぐって、私は中に収まっていた生理用の異物を取りだした。あかく染まった異物は饐えたような匂いがした。
女性は性行為を前にして小陰唇を充血・膨張させ、バルトリン腺から薄い乳白色の液を分泌するという。そうして男性器を挿入されやすいように、膣口をなめらかにする。私はいつか婦人科の医者になったような手つきで彼女の性器を押し広げ、丹念に指を入れて、S子の表情の変化をたしかめた。
S子は片手を伸ばして、私の肩に触ると、甘えるように、 「ねえ、いれて」 生理用具を彼女の下腹の中に戻そうとすると、 「そうじゃなくて、あなたの。そのままで、大丈夫」
彼女の呼吸が乱れていた。性器からあふれた液は会陰部を伝い、その下の小さな紅い蕾のようなふくらみまで濡らしていた。小陰唇が陰毛の陰で膨れ上がり、露わな欲望のかたちを見せつけていた。彼女の全身が発情して蒼白く汗ばみ、フェロモンの供給源になっていた。
<今日の一句> 花もよし 紅葉もまたよし 五十坂 裕
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