橋本裕の日記
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2002年09月20日(金) 冷静な目で

 17日の日朝首脳会談の際、拉致被害者8人の死亡年月日が記されたリストを渡されていながら、外務省が家族への連絡を控えていたという。8人中4人は20代で死亡しており、二人が同時に死亡している例もあった。これを公表すれば、国内でさらに衝撃が走ったことだろう。外務省は一段落ついた19日になって家族への通知を始めた。

 同じ日に死亡したとされているのは有本恵子さんと石岡亨さんである。88年9月に石岡さんから実家に、「自分と有本さん、熊本市出身の松木薫さんの3人で平壌で暮らしている」と無事を伝える手紙と顔写真が同封されていた。この2月後、有本さんと石岡さんは死亡したことになる。それぞれ28歳と31歳での死である。

 二人が同時に死んだのは、偶然ではないだろう。また横田めぐみさんなどの死についても、両親が被拉致者解放運動にかかわっていたことへの報復かも知れない。もうしそうだとしたら、自分たちの運動が子供の死をもたらす一助になったわけで、親はわりきれないだろう。

 金正日総書記が日本人拉致を認めたため、韓国でも拉致問題解決を求める声が強まっているという。韓国では朝鮮戦争以降、486人が北朝鮮に拉致されたとみられている。野党ハンナラ党からは「北側に送還を強く要求すべき」という声が上がっている。

 こうした北朝鮮による非道な国家的犯罪は決して許されるべきではない。その責任をうやむやにする事は出来ないが、同時に日本も過去の植民地支配に対する反省をしっかり行い、その責任を果たしていく必要がある。そのためには時には冷静な第三者の目をもつことも必要だろう。

 北朝鮮が、戦前の日本と似た体質を持つ軍事的テロ国家であることはあきらかである。しかしそこにはそうならざるを得なかった歴史的過程がある。問題はいかにして、この独裁国を国際社会に復帰させ、平和で民主的な体制に変えていくかである。そのために日本に何が出来るか、私たち一人一人がそのことをもう少し真剣に考える必要がありそうだ。

<今日の一句> さわやかな 風とひかりに 野菊咲く  裕


橋本裕 |MAILHomePage

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