橋本裕の日記
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2002年09月04日(水) 政党政治をやめよう

1日投開票された長野県知事選は、県議会から不信任を突きつけられて失職した前知事の田中康夫氏が圧勝した。共産党以外のあらゆる政党の支持を受けた長谷川敬子候補は田中氏の知事としての資質や議会との対決姿勢を批判したが、有権者は田中氏の「県政改革」の手腕に多くを期待したようだ。

 朝日新聞の出口調査によると、前回の知事選と比較して、田中氏の得票は「男性優位」が「女性優位」へと逆転し、郡部の高齢層が「反田中」から「親田中」に大きく変化したという。あらゆる地域のあらゆる世代が性別を問わず彼の改革姿勢を圧倒的に支持した。こうして次点の長谷川氏に2倍以上の差をつけて80万票をこえる大量得票になった。

 政党別に見てみよう。田中氏支援を鮮明に打ち出した共産党の支持者は9割以上が田中氏に投票したのは当然だが、自民支持層は田中氏に47%、長谷川氏に49%でほぼ互角だった。民主支持層は田中氏66%、長谷川氏29%、公明党は県議が長谷川氏を支援したが、公明支持層の55%は田中氏に投票した。無党派層は田中氏76%、長谷川氏20%と、圧倒的に田中氏優位だった。

 こうしてみると、今回の選挙でまた一段と有権者の政党離れが進んだことがわかる。無党派層の増加に加え、政党支持者でさえもはや政党の政策に背を向け始めていることがわかる。そして有権者の政党離れというより、むしろ政党が有権者の意識から離れていることが問題だと思う。このことは地方選挙だけでなく、国政選挙でも明らかになりつつある。

 これを議会制民主主義の危機だという人がいる。民主主義とは政党政治だという考え方からすればそういうことになる。しかし、私はこの政治学の定理を疑っている。政党政治が民主主義として機能していた時代が日本にもなかったわけではないが、いまや、政党政治が民主政治の対立物になっている。そろそろ政党政治が民主主義だという幻想から自由になってはどうだろうか。

 政党の呪縛をのがれることで、私たちは自らをほんとうに幸福にする政治を創造できるのではないだろうか。長野県知事選の顛末をみて、私が思ったことはこのことである。いずれ、「政治学入門」で、このことをもうすこし分かりやすく書いてみたいと思っている。

<今日の一句> しみじみと 蟋蟀鳴けり 草匂う  裕


橋本裕 |MAILHomePage

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