橋本裕の日記
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| 2002年06月28日(金) |
日本の教育の問題点(14) |
F「分数の割り算を小学校で教えないとして、それでは中学校で教えるときにはどう教えるべきでしょうか。私たちが習ったのは、いわいる<ひっくり返してかける>という方式ですが、こうしたやり方はたしかに機械的で意味がともなわない典型ですね。そこで、意味やイメージが明瞭な、これぞという合理的な教授法があるなら、ぜひ教えてほしいものですね」
私「以前にも言いましたが、分数の割り算について、何か意味のある例題を考えることは、ほんとうに難しいですね。ちなみに、 3÷(1/2)=6 を考えてみたいと思います。Aさん、どうですか」
A「さっぱりわかりません。何かヒントを下さい」
私「それでは、 6÷3=2 はどうですか」
A「6個のパンを3人で分けたら、ひとり何個ずつでしょう。こんな例が思うかびます。しかし、これだと応用がききませんね。3個のパンを1/2人で分けたら、とは言えませんからね」
私「そうですね。<で割る>ということを、<で分ける>というふうに考えると、分数の場合は困ってしまいますね。そこで、<で分ける>という発想を捨ててみます。6÷3=2 を<6は3の何倍か>もしくは<6の中に3がいくつあるか>という風に考えるのです。そうすると、3÷(1/2)は・・・」
A「わかりました。3の中に1/2は何個あるかと考えればいいわけですね。答えは6になります。なあんだ、分数の割り算は簡単ですね。これなら、小学生にでも分かるのではないでしょうか」
私「小学生にでも分かるような気がしますね。しかし、Aさんは、どうして6という答えを導き出したのですか」
A「さあ、それは、困りましたね。直観で6になりました。しかし、これでは教師失格ですね。先生ならどう教えますか」
私「1の中に1/2は2個あるので、それを3倍して6が得られます。式であらわせば、 3÷(1/2)=3×{1÷(1/2)}=3×2=6 ということになります。結果的に、ひっくりかえしてかければよいわけですが、なぜそうなるのかという説明がこれでつきます。しかし、これは小学生の段階では、やはりむつかしいのではないでしょうか。だから、これは、やはり中学生になってからでいいのではないかと思うのです」
G「<で割る>ということを、<で分ける>という初歩の思考の段階にとどめるわけですね。割り算はあくまで分けることだということで押し切れば、なるほど混乱はありませんね。そのかわり、分数の割り算には触れないでおく。そうすれば、たしかに混乱はないし、すっきりします」
私「分数の割り算を理解するには、もうすこし高度な思考が必要なのですが、その思考を伴わない段階で教えると、どうしても機械的な理解に終わってしまうのです。結局、計算だけができても、それに見合った高度な思考ができるわけではない。一生分からないままに、おわってしまうわけです」
G「まさに私がそうですね。日本の大学生のほとんども、分数の割り算の意味を知らないのではないでしょうか。ただ、機械的に計算しているだけで、それに見合った高度な思考をしているわけではありません。また、いくらこうした計算に習熟したとしても、高度な思考ができるようになるわけではありませんね」
F「なるほど、先生が分数の割り算に消極的な理由がよくわかりました。しかし、私は反対です。私は計算はすべて機械的でいいと思うのです。まずは計算ができることが必要で、そのあと、ゆっくりと意味を考えればよいのではないでしょうか」
<今日の一句> 紫陽花に いのちのふしぎ 見つけたり 裕
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