橋本裕の日記
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2002年06月15日(土) 日本の教育の問題点(10)

G「私たちが数学を学ぶのは日常的な実用性だけではないと思います。<考える力>を身につけることも大切です。先生の意見は算数教育におけるこうした知能的な側面を軽視しているように思えます」

私「私は<考える力>を身につけることが数学教育の大きな目標だと思っています。しかし、いきなり抽象的な思考力が身に着くわけではありません。児童の発達にあわせた教育が大切です。小学校ではもう少し実用性を配慮してはどうかと思います。そうした観点から、その象徴として、分数計算の簡素化を提案しているわけです」

B「私は反対ですね。分数計算はたしかに面倒だけど、計算力を養うための格好の教材だと思いますね。いまの子供は計算力がないようですが、こうした計算軽視の風潮が大きな原因ではないでしょうか」

E「そういえば、昔は珠算が盛んでしたね。私もこれはがんばりましたよ。算数や数学は苦手でしたが、珠算は得意でした。商売をやるうえで、珠算はいまも役立っています。実用性という意味で、珠算を復活させてはどうでしょうか」

私「今は計算機の時代ですから、珠算の実用性は昔ほどではないでしょうね。それにしても、数学が苦手だったEさんが珠算の名人だったとは知りませんでしたね。ちなみに私は珠算塾に通いましたが、落ちこぼれ組でした。どうしても機械的な計算が好きになれなかった。それにあの集団的な雰囲気が好きになれなかったようですね」

B「インドなどでは19×19の二桁九九を覚えさせるそうです。インドはソフトウエアプログラミングの分野で急成長を遂げていますが、そうした優秀なプログラマーが輩出しているのは、こうした高度な九九計算を小さいときにたたき込んでいるからではないでしょうか」

私「インドがソフトウエアの開発の面で優れていることは周知の事実ですが、それと19×19の二桁九九をと直接はむすびつかないと思います。それは珠算と数学が直接結びつかないのと同じです。むしろ、インドの数学教育の性格は論理的な方面の重視だといわれていますね。学校では徹底的に証明問題を解かせているようですよ。計算問題重視の日本の教育とは対照的です。私もプログラムを少しだけやりますが、そこで必要なのは論理力プラス構想力だということがよくわかります」

A「話を算数に戻しますが、数学教育の初期の段階では、児童の発達段階に応じて、実用性を重んじる必要があるというわけですね。そうすると、論理力はしばらくおいておいて、計算力を重視するということになりませんか」

私「そうではありません。論理力軽視ではなく、実用に役にたつ具体的な計算力を身につける中で、数学的に考える力をも養成していく必要があるということです。単に計算力重視ということではなく、もうすこし普遍的で発展性のある、将来に開かれた視点からの数学教育が必要でしょうね」

E「計算を通して思考力をやしなうとか、将来に開かれた視点からの数学教育と言われても、私には話が抽象的でよくわかりません。もう少し具体例を出して、わかりやすく解説していただけませんか」

<今日の一句> かみなりに 遠き神代を 想ひけり  裕


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